「本屋大賞2021の歴代作品を全部チェックしたい!」
「一覧でまとめている記事はないのかな?」
と思っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、本屋大賞2021年(第18回)の結果を、部門ごとに、ノミネート作品も合わせて紹介します。
- 本屋大賞2021年の1位〜10位
- 翻訳小説部門1位〜3位
- 発掘部門
それでは見ていきましょう!
本屋大賞は、全国の書店員が“自分の店で一番おすすめしたい本”を投票で選ぶ賞です。
全国の新刊書店(オンライン書店含む)で働く書店員の“投票だけ”で決まる年間の書籍賞です。書店員が自ら読んで「面白い・薦めたい・店で売りたい」と思う本を選ぶ点が特徴です。
2004年に第1回が行われ、以後毎年実施されています。
選考は一次投票で上位10作をノミネートし、その全作を読了したうえで二次投票(ベスト3方式)で大賞を決定します。
運営は書店員有志による「本屋大賞実行委員会」。既刊本を掘り起こす発掘部門や、翻訳小説部門も併設されています。
本屋大賞2021年結果まとめ|ノミネート作品も紹介

まずは、本屋大賞2021年の1位(大賞)〜10位(ノミネート作品)までを紹介します。
先に結果一覧をお見せしますね↓
順位 | 作品名・受賞者 | \無料体験で0円/ オーディブル対象 |
---|---|---|
1位(大賞) | 52ヘルツのクジラたち (町田 そのこ) | – |
2位 | お探し物は図書室まで (青山 美智子) | – |
3位 | 犬がいた季節 (伊吹 有喜) | 0円で聴く > |
4位 | 逆ソクラテス (伊坂幸太郎) | 0円で聴く > |
5位 | 自転しながら公転する (山本文緒) | – |
6位 | 八月の銀の雪 (伊与原 新) | – |
7位 | 滅びの前のシャングリラ (凪良 ゆう) | – |
8位 | オルタネート (加藤シゲアキ) | – |
9位 | 推し、燃ゆ (宇佐見りん) | 0円で聴く > |
10位 | この本を盗む者は (深緑 野分) | 0円で聴く > |
【大賞】1位:52ヘルツのクジラたち
作品名 | 52ヘルツのクジラたち |
---|---|
著者 | 町田 そのこ |
出版社 | 中央公論新社 |
2021年本屋大賞第1位。待望の文庫化。
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
読んだ感想
「52 ヘルツのクジラ」とは、仲間に声が届かない孤独なクジラ―その存在が、主人公・貴瑚と少年の境遇と重なり心に迫ります。虐待や家族との対立という深い悲しみを背負いながらも、互いに心を寄せ、救い合おうとする姿には、言葉にならない温かさがあります。誰にも届かない声を、きちんと「聞こう」とするやさしさを教えてくれた、胸に残る一冊でした。
(30代男性)
最初は「声が届かない者たち」の孤独な物語かと思いきや、周囲の細やかな思いや行動が灯りとなり、静かに希望が広がる構成が素晴らしかったです。貴瑚が町で出会う人々の優しさや、少年との絆には「助け合える人との小さなつながり」がいかに大切かを思い出させられました。痛みの中にも、人との絆が光となる読後感が心に残りました。
(20代女性)
2位:お探し物は図書室まで

作品名 | お探し物は図書室まで |
---|---|
著者 | 青山 美智子 |
出版社 | ポプラ社 |
2021年本屋大賞第2位!!
「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
読んだ感想
町の小さな図書室に「人生を探しに」やってくる5人。司書の小町さんは不愛想だけれど、絶妙な本と羊毛フェルトの“ふろく”で、読者も悩める登場人物たちもそっと救ってくれます。誰かに背中を押してもらったような、ほっこりとした読後感が印象的な一冊です。
(30代女性)
一見何のつながりもなさそうな短編が、章を追うごとに心の糸で絡まり合っていく感覚。小町さんの選書は、“意外な一押し”がいつも最後に来るのが印象的で、まるで人生のヒントをそっと差し出されているよう。読んだあと、不思議と本屋でも図書館でも立ち寄りたくなる、優しい魔法が宿った物語でした。
(40代男性)
3位:犬がいた季節
1988年夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。「コーシロー」と名付けられ、以来、生徒とともに学校生活を送ってゆく。
初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら…。
昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の逡巡や決意を、瑞々しく描く。
山本周五郎賞候補、2021年本屋大賞第3位に輝いた青春小説の傑作。
読んだ感想
昭和から平成へ移り変わる時代を背景に、校舎にひょっこり迷い込んだ白い子犬コーシローと、その高校に通う生徒たちの姿が重なり合う短編集です。時代の音や出来事が懐かしく胸に浮かび、コーシローという変わらない存在が、時の流れを優しく包み込むようで、読後にじんわり温かい気持ちがずっと続きました。
(20代女性)
各年度の高校生活が、違う物語となって独立しつつも、コーシローという共通の存在がそれらをつないでいく構成がとても見事でした。進路の悩みや友情、恋心、未来への不安―すべてが時代特有のエピソードとして描かれているのに、読後には普遍的な青春の輝きとして、心に残ります。
(30代男性)
4位:逆ソクラテス
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える(逆ソクラテス)。足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが(スロウではない)。最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも(アンスポーツマンライク)。など短編全5編の主人公はすべて小学生。デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。
読んだ感想
主人公は小学生だけれど、ただの子ども話ではなくて、大人が思い描く「大人像」って実はちっちゃいんだな…と気づかされました。先入観に気づいて行動を変える勇気を、小学生の目線から教えてもらえた感じがして、すごくグッときました。
(20代女性)
5つの小さな話が、どれも最後にはスッと心に残る余韻があります。「僕はそうは思わない」というセリフ一つに、すごく力を感じました。読んだあと、自分もまた柔らかい目で周りを見ようって気持ちになる、そんなやさしいインパクトがありました。
(40代男性)
5位:自転しながら公転する
作品名 | 自転しながら公転する |
---|---|
著者 | 山本文緒 |
出版社 | 新潮社 |
中央公論文芸賞受賞!島清恋愛文学賞受賞!本屋大賞ノミネート!
恋愛、仕事、家族……30代女子の悩みは止まらない!
読者から圧倒的な共感を集めた傑作長編
母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具合は一進一退。正社員になるべき? 運命の人は他にいる? ぐるぐると思い悩む都がたどりついた答えは――。揺れる心を優しく包み、あたたかな共感で満たす傑作長編。
読んだ感想
都は結婚も仕事も家族への責任もあって、悩みは尽きないけれど、自分の答えを少しずつ見つけていきます。「自転しながら公転する」という言葉が示すように、自分のペースで回りながら進んでいいんだと、そっと背中を押してくれる作品でした。
(30代男性)
恋愛や仕事や親の世話…そんな“当たり前”のことが全部重なって、都の心はグルグル揺れまくる。そこには派手な出来事より、本当のしんどさがあって、それがリアルに伝わってくるから、読み進めるうちに自分も大切な何かに気づけた気がしました。
(30代女性)
6位:八月の銀の雪
「お祈りメール」の不採用通知が届いた大学生は、焦りと不安に苛まれていた。
2歳の娘を抱えるシングルマザーは、「すみません」が口癖になった。
不動産会社の契約社員は、自分が何をしたいのか分からなくなっていた……。
辛くても、うまく喋れなくても、
否定されても邪慳にされても、
僕は、耳を澄ませていたい――地球の中心に静かに降り積もる銀色の雪に。深海に響くザトウクジラの歌に。見えない磁場に感応するハトの目に。珪藻の精緻で完璧な美しさに。高度一万メートルを吹き続ける偏西風の永遠に――。
科学の普遍的な知が、傷つき弱った心に光を射しこんでいく。表題作の他「海へ還る日」「アルノーと檸檬」「玻璃を拾う」「十万年の西風」の傑作五編。
読んだ感想
五つの短編からなる本作は、どの物語にも「科学」がさりげなく深みを与えています。表題作「八月の銀の雪」では、就活で迷う主人公の堀川が、コンビニの留学生・グエンとの出会いを通じて、新たな視点と少しの勇気を取り戻していく様子に胸を打たれました。現実的な日常の中に温かな希望が漂い、そっと背中を押してくれる一冊でした。
(30代男性)
科学的事実が静かにストーリーに溶け込んでいる点がとても印象的でした。地球の内核が「銀の雪」として降り積もる描写、「海へ還る日」でのクジラや風、鳩、凧など、それぞれのモチーフに人と自然をつなぐ力がありました。“知っているけど知らない世界”への視線が、読む人の心をふわっと軽くしてくれる、心地よい短編集でした。
(30代女性)
7位:滅びの前のシャングリラ
作品名 | 滅びの前のシャングリラ |
---|---|
著者 | 凪良 ゆう |
出版社 | 中央公論新社 |
「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして――荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。
読んだ感想
地球滅亡まであと1ヶ月という状況で、登場人物たちがそれぞれ抱えてきた痛みと向き合い、少しずつ変わっていく様子に胸が熱くなりました。物語は短編連作風でそれぞれの視点が重なり、読み終えた後には「滅びゆく運命の中にも、人間らしい温もりがある」と静かな余韻が残ります。悲しさだけでなく、希望を伝えてくれる一冊でした。
(40代男性)
「あと1ヶ月で世界が終わる」と告げられた世界で、人々はどう生きるのか? その問いに対する答えとして描かれるのは、過去の後悔、他者との絆、ささやかな勇気。絶望だけで終わらず、「もうすこしだけ……」と前向きに生きたいという思いが胸を打ち、読み終えてもしばらく心が揺れ続けました。
(40代女性)
8位:オルタネート
わたしは、わたしを育てる――。
文壇からの高い評価、読者から熱烈な支持。その両者を獲得した新世代の青春小説、待望の文庫化!
吉川英治文学新人賞受賞・高校生直木賞受賞・『ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE YEAR 2021 第1位直木賞候補・本屋大賞ノミネート作<あらすじ>
高校生限定のSNSアプリ「オルタネート」が必須の現代。料理コンテストでの失敗に悩む調理部部長の蓉は、再びの挑戦を決断。高校を辞め居場所を探す尚志は、音楽家らのシェアハウスに潜り込む。オルタネートを信奉する凪津は、アプリが導く運命の相手を探す。そして文化祭の初日、三人それぞれに起こる奇跡――。10代の残酷さと煌めきを鮮やかに切り取る、青春小説の新たなマスターピース。
読んだ感想
古典ミステリへのオマージュと“メタミステリ”的な構造が魅力。密室トリックはもちろん完備、でもそれ以上に「自分たちも物語の登場人物なのかも」と語りかけてくるような構成にゾクゾクしました。複数の殺人の裏にある真相は、期待以上の鮮やかさでした。
(30代男性)
雪深い森に立つ美しくも異様なガラスの塔——クローズドサークルの設計にワクワク。名探偵・碧月夜の華麗な推理と、詰め込まれた伏線の数々にページをめくる手が止まりませんでした。最後の衝撃の展開は、一度読んだら忘れられないミステリ体験です。
(40代女性)
9位:推し、燃ゆ
【第164回芥川賞受賞作】
「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」
朝日、読売、毎日、共同通信、週刊文春、
ダ・ヴィンチ「プラチナ本」他、各紙誌激賞! !
三島由紀夫賞最年少受賞の21歳、第二作にして
第164回芥川賞受賞作
読んだ感想
あかりちゃんの推し活、自分の推し活と重なって泣けました。SNSっぽい感じなのに、すごくグッときました。久しぶりに小説にハマりました。
(20代女性)
推しのためならどこまでも…という純粋さに心打たれました。宇佐見りんさんの文章が綺麗で、あっという間に読めてしまいました。現代の日本文学の新しい形を感じる良作だと思います。
(40代男性)
10位:この本を盗む者は
少女たちは本の世界を冒険する!胸躍るファンタジー。
“本の街”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父を持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、町は物語の世界に姿を変えてしまう。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白とともにさまざまな物語の世界を冒険していく……初めて物語に没頭したときの喜びが蘇る、胸躍るファンタジー。
読んだ感想
本嫌いの高校生・深冬が、本の呪いで町が物語世界に変わる“ブック・カース”に巻き込まれ、冒険へ駆り立てられる展開に一気に引き込まれました。「現実」と「虚構」が交錯する構成は緻密かつ大胆で、作者の自由な物語遊びに心が躍ります。ジャンルが話ごとに変わる豪華さに、「こんな本が読みたかった!」というワクワク感が止まりませんでした。
(40代男性)
学校でごく普通に暮らす深冬が、祖母の呪いによって“本の世界”に飛び込む……その設定だけで最高! 毎章ごとに、童話・ハードボイルド・スチームパンクなど異なるジャンルの物語が演じられるのがすごく楽しくて、まるで短編集の美味しいところを一冊にしたよう。その大胆な構成に感服です。
(30代女性)
本屋大賞2021年〈翻訳小説部門〉結果まとめ

本屋大賞2021年〈翻訳小説部門〉の結果を紹介します。
翻訳小説部門は、海外の小説を日本語に訳して出版した作品の中から選ばれる賞です。
まずは結果一覧をお見せしますね↓
順位 | 作品名 | \無料体験で0円/ オーディブル対象 |
---|---|---|
1位(大賞) | ザリガニの鳴くところ | 0円で聴く > |
2位 | 神さまの貨物 | – |
3位 | あの本は読まれているか | – |
翻訳小説部門1位:ザリガニの鳴くところ

作品名 | ザリガニの鳴くところ |
---|---|
著者 | ディーリア・オーエンズ(著) 友廣 純(訳) |
出版社 | 早川書房 |
ノースカロライナ州の湿地で青年の遺体が見つかる。村の人々は「湿地の少女」カイアに疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられ、人々に蔑まれながらたった一人湿地で生き抜いてきたカイアは果たして犯人なのか
読んだ感想
ケイア(通称「湿地の少女」)が、家族から見放され、湿地帯で自立していく姿は、圧倒的な強さと孤独が共存していて胸が締めつけられました。自然を「家族」にし、そこで生きるすべを学び取る描写が詩的で美しい。読後には、自然の中でこそ人は本来の自分を見つけられるのかもしれないという深い余韻が残ります。
(30代男性)
殺人事件、法廷劇、ロマンス——ミステリー要素も十分に楽しめる一方で、最も心に響くのは街ではなく湿地で学んだ「生きる力」と「信頼」の描写でした。ケイアが教わる鳥や貝の観察や、それを丁寧に表現する文章に、不思議と温かさを感じます。人は他人との関わりだけでなく、自然とのつながりからも救われるのだと教えてくれた一冊です。
(20代女性)
翻訳小説部門2位:神さまの貨物
作品名 | 神さまの貨物 |
---|---|
著者 | ジャン=クロード・グランベール(著) 河野万里子(訳) |
出版社 | ポプラ社 |
大きな暗い森に貧しい木こりの夫婦が住んでいた。きょうの食べ物にも困るような暮らしだったが、おかみさんは「子どもを授けてください」と祈り続ける。そんなある日、森を走りぬける貨物列車の小窓があき、雪のうえに赤ちゃんが投げられた――。明日の見えない世界で、託された命を守ろうとする大人たち。こんなとき、どうする? この子を守るには、どうする? それぞれが下す人生の決断は読む者の心を激しく揺さぶらずにおかない。モリエール賞作家が書いたこの物語は、人間への信頼を呼び覚ます「小さな本」として、フランスから世界へ広まり、温かな灯をともし続けている。
読んだ感想
戦争で廃れた森の中、幼子が貨車の窓から投げ落とされる…その衝撃的な幕開けに、すぐに心を掴まれました。貧しい木こりの女性がその赤ん坊を「神さまの贈り物」として抱きとめ、差別や恐怖に向き合いながら命を守ろうとする姿に深く胸を打たれました。絶望の中にあってこそこそ輝く愛と信頼を思い出させてくれる、短くても胸に強く残る一冊でした。
(20代男性)
童話のような語り口なのに、その裏にはアウシュビッツを思わせるような戦争と差別の残酷さが横たわっていて、心が重くなります。それでも確かに存在する“命の光”を描き続ける作品で、読み終えると「愛こそが人間にとって揺るぎない礎なのだ」と静かに教えられた気持ちになります。まさに「命を抱きとめる物語」です。
(30代女性)
翻訳小説部門3位:あの本は読まれているか
作品名 | あの本は読まれているか |
---|---|
著者 | ラーラ・プレスコット(著) 吉澤康子(訳) |
出版社 | 東京創元社 |
一冊の小説が世界を変える。
それを、証明しなければ。
冷戦下、超大国ソ連と戦うCIAの女性たちを描く傑作長編!
【第3位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10】
冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われる。だが実際はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けて、ある特殊作戦に抜擢された。その作戦の目的とは、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。一冊の小説を武器とし、危険な極秘任務に挑む女性たちを描く傑作長編!
読んだ感想
冷戦下のアメリカとソ連を舞台に、「ドクトル・ジバゴ」の禁書解除を仕掛ける女性たちの物語に胸が熱くなりました。史実をベースにしたスパイ作戦と濃密な人間ドラマが融合し、読み始めはやや戸惑ったものの、その没入感は圧倒的。女性同士の連帯と、それぞれが抱える思いが静かに胸に刺さる一冊でした。
(40代男性)
まるでスパイ映画のような展開なのに、実際にあったCIAの作戦をモデルにしていると知って驚きました。特にタイピストたちの日常の描写には、仕事の裏で奮闘する彼女たちの苦労と誇りがにじんでいて、大きなテーマとして「文学の力」と「女性たちの闘い」が静かに胸に残ります。
(30代女性)
本屋大賞2021年〈発掘部門〉ない仕事の作り方

2019年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本を選ぶ『発掘部門』。
その中から「超発掘本!」に選ばれた作品は『ない仕事の作り方』でした。
「仏像ブーム」を牽引してきた第一人者であり、「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親としても知られるみうらじゅん。とはいえ、「テレビや雑誌で、そのサングラス&長髪姿を見かけるけれど、何が本業なのかわからない」「どうやって食っているんだろう?」と不思議に思っている人も多いのでは?
本書では、それまで世の中に「なかった仕事」を、企画、営業、接待も全部自分でやる「一人電通」という手法で作ってきた「みうらじゅんの仕事術」を、アイデアのひらめき方から印象に残るネーミングのコツ、世の中に広める方法まで、過去の作品を例にあげながら丁寧に解説していきます。
「好きなことを仕事にしたい」、「会社という組織の中にいながらも、新しい何かを作り出したい」と願っている人たちに贈る、これまでに「ない」ビジネス書として話題となり、ロングセラーを続ける本書がいよいよ文庫に。
文庫版オリジナル企画として、「スペシャル対談 糸井重里×みうらじゅん」も掲載。
読んだ感想
みうらじゅんさんが教えてくれるのは、「誰もやっていないこと」を自分の得意な形で形にする楽しさです。たとえば、「マイナス要素をおもしろく名前にする」「自分を洗脳するほど好きになる力を使う」といった発想が、読んでいるだけでワクワクしました。計画的でありながら遊び心たっぷりな「ない仕事」の作り方には、思わず笑顔になり、前向きな気持ちをもらえます。
(30代男性)
「ない仕事」とは、世の中にまだ存在しないジャンルや企画のこと。それを自分一人で仕掛けていく手法が、まるでスパイ活動のようで面白いです。「一人電通」と呼ばれる、自分で企画も営業も接待もこなす力や、「破壊力あるネーミング」で人の心を動かす方法には、思わず脱帽。変わった企画を考えたい人、私もそんな挑戦をしてみたくなりました。
(40代女性)
まとめ:本屋大賞2021年は、ぜひノミネート作品も含めて読んでみよう

本屋大賞2021年の受賞作品を紹介してきました。
興味のある本があったら、ぜひ手にとって読んでみてくださいね。
無料で聴く方法
オーディブルの30日無料体験を使うことで、「オーディブル対象の本屋大賞作品」を無料で聴くことができます。
無料体験は、お試し期間中いつでもキャンセルできるので、安心して利用できますよ。
オーディブルが聴けるようになるまでは、かんたん2ステップです。
- オーディブルに登録する
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それぞれ見ていきましょう
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Step2:アプリをダウンロードして聴く
続いて、スマホにアプリをダウンロードして、好きな本を聴いてみましょう。
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