「このミステリーがすごい!2025(第24回)の作品を全部チェックしたい!」
「一覧でまとめている記事はないのかな?」
と思っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、このミステリーがすごい!2025年(第24回)の結果を、部門ごとに、ノミネート作品も合わせて紹介します。
- このミステリーがすごい!2025の国内トップ10
- このミステリーがすごい!2025の海外トップ10
それでは見ていきましょう!
『このミステリーがすごい!』は、宝島社が1988年から発行しているミステリー小説のガイドブック兼ランキングで、略称は「このミス」です。
毎年「国内編」と「海外編」のベスト10を発表しています。選定は複数の識者による投票形式で行われ、公平性を保つために宝島社刊行作品は以前は対象外でしたが、2021年以降は対象に含まれています。
また、この企画から派生して、2002年には新人公募の文学賞「このミステリーがすごい!大賞」も創設されました。こちらは、ミステリー要素を含めた幅広いジャンルの未発表作品を対象とし、新人作家のデビュー支援を目的としています。書評家が個性や設定などの魅力に注目して選考する点も特徴です。
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このミステリーがすごい!2025年〈国内ベスト10〉結果まとめ

まずは、このミステリーがすごい!2025年〈国内ベスト10〉を紹介します。
先に結果一覧をお見せしますね↓
順位 | 作品名・受賞者 | \無料体験で0円/ オーディブル対象 |
---|---|---|
1位 | 地雷グリコ (青崎有吾) | 0円で聴く > |
2位 | 冬期限定ボンボンショコラ事件 (米澤穂信) | – |
3位 | 檜垣澤家の炎上 (永嶋恵美) | – |
4位 | 少女には向かない完全犯罪 (方丈貴恵) | 0円で聴く > |
5位 | 伯爵と三つの棺 (潮谷験) | – |
6位 | 日本扇の謎 (有栖川有栖) | 0円で聴く > |
7位 | 法廷占拠 爆弾2 (呉勝浩) | 0円で聴く > |
8位 | バーニング・ダンサー (阿津川辰海) | – |
9位 | ぼくは化け物きみは怪物 (白井智之) | – |
10位 | 六色の蛹 サーチライトと誘蛾灯 (櫻田智也) | 0円で聴く > |
国内1位:地雷グリコ
ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。
読んだ感想
地雷グリコ、マジで面白い!子供の頃のグリコに地雷ルールを加えるだけで、こんなに奥深くなるなんて驚き。主人公の真兎ちゃんが次々と難関を突破していく展開にドキドキが止まらなかった。ゲーム感覚でサクサク読めるのに、頭を使う感じがたまらない。ミステリー好きじゃなくても楽しめる作品だと思う!
(20代男性)
期待以上でした!普段馴染みのあるゲームがベースになっているので、とっつきやすいのに、戦略性が高くて引き込まれます。特に、主人公の真兎の機転の利かせ方がカッコよくて、思わず応援したくなりました。ミステリーの要素もしっかりあって、最後まで目が離せない一冊です。
(30代女性)
国内2位:冬期限定ボンボンショコラ事件
作品名 | 冬期限定ボンボンショコラ事件 |
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著者 | 米澤穂信 |
出版社 | 東京創元社 |
【特別書き下ろし作品】
高校生活の終わり。
小市民の時代の終わり。
小鳩君を轢き、
密室状況から消え失せた車はどこへ?
シリーズ最大の事件を描き
四部作掉尾を飾る冬の巻!
小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。
読んだ感想
チョコレートを題材にしたおしゃれな雰囲気なのに、事件の真相はしっかりビターで驚きました。軽い読み口なのに後味は深くて、「やっぱり米澤作品だなあ」と感じました。小鳩くんと小佐内さんの掛け合いも楽しかったです。
(30代女性)
短編なのに満足感がしっかりあって、読み終わったあとに「ちょっと考えさせられるな」と思える内容でした。甘さと苦さが同居する感じがクセになって、このシリーズの中でもけっこうお気に入りです。
(30代男性)
国内3位:檜垣澤家の炎上
『細雪』×『華麗なる一族』×ミステリ!
「女であっても、私はすべてを手に入れたい」
富豪一家に拾われた娘のたったひとりの闘いが始まる。
横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とは――。小説の醍醐味、その全てが注ぎこまれた、傑作長篇ミステリ。
読んだ感想
横浜の女系一族に拾われた少女・かな子が、生き残るために狡猾さを磨いていく成長物語です。政略や殺人といったドロドロもありつつ、彼女の知略やサバイバル精神には思わず応援したくなりました。時代背景のディテールも豊かで、読み応え抜群でした。
(20代女性)
ミステリーとして面白いのはもちろんですが、それ以上に大正時代の横浜、豪華な衣装や文化の描写が豊かで、「映像化されたら見てみたいな」と思わされました。かな子と女たちの闘いを、エンタメとしても文学としても楽しめた一冊です。
(30代男性)
国内4位:少女には向かない完全犯罪
作品名 | 少女には向かない完全犯罪 |
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著者 | 方丈貴恵 |
出版社 | 講談社 |
「確かに、幽霊も子供も一人じゃ何もできないよ。
でも、私たちが力を合わせれば、大人の誰にもできないことがやれると思わない?」なにもできない幽霊と
なにもできない少女が織りなす
頭脳戦の楽しみに満ちた爽快な復讐譚!
読んだ感想
設定も展開もとにかくぶっ飛んでいて、途中で「これは普通じゃない…」と思わず身構えてしまいました。でも、ページをめくるごとに驚きが積み重なり、最後には「どうやってこんな話を考えつくんだ?」とただただ唸る読書体験でした。
(20代男性)
最初からグロイ描写や不気味さが炸裂しているのに、物語の構造はとても緻密。平行世界や並行した自分たちの会話など複雑な設定にもかかわらず、論理でしっかり回収されていくので、「頭使うミステリが好きな人には特にたまらない」一冊です。
(30代女性)
国内5位:伯爵と三つの棺
フランス革命が起き、封建制度が崩壊するヨーロッパの小国で、元・吟遊詩人が射殺された。
容疑者は「四つ首場」の改修をまかされていた三兄弟。五人の関係者が襲撃者を目撃したが、犯人を特定することはできなかった。三兄弟は容姿が似通っている三つ子だったからだ。
DNA鑑定も指紋鑑定も存在しない時代に、探偵は、純粋な論理のみで犯人を特定することができるのか?
読んだ感想
三つ子が容疑者という唯一無二の設定に、読んでいるだけでワクワクしました。科学調査のない時代に、論理だけで犯人を絞る推理劇はスリリング。さらに“もうひとひねり”の仕掛けもあって、最後の最後まで気が抜けない一冊でした。
(30代男性)
「解決編で事件が終わったと思わせておいて、そこからが本章」とでも言うべき展開。最初の解決はただの導入にすぎず、その裏に隠された真実が明かされる構造に脱帽しました。ミステリ好きなら「あっ!」と驚く仕掛けが詰まっています。
(40代女性)
国内6位:日本扇の謎
舞鶴の海辺の町で発見された、記憶喪失の青年。名前も、出身地も何もかも思い出せない彼の身元を辿る手がかりは、唯一持っていた一本の「扇」だった……。そして舞台は京都市内へうつり、謎の青年の周囲で不可解な密室殺人が発生する。事件とともに忽然と姿を消した彼に疑念が向けられるが……。動機も犯行方法も不明の難事件に、火村英生と有栖川有栖が捜査に乗り出す!
読んだ感想
海辺で見つかった記憶喪失の青年が、唯一持っていた“富士山の扇”から身元が判明し、京都の名家に戻る…でもすぐにまた失踪、更に密室殺人まで起きちゃう展開に、ページをめくる手が止まりませんでした。
(30代女性)
設定がすごくロマンチックで、「記憶が戻らない青年が扇だけ持っている」という入り口のセンスにまずワクワクしました。そこから京都の文化や人間関係の厚みがじわりと効いて、ミステリー要素と物語の深みが両立していて、満足度高かったです。
(50代男性)
国内7位:法廷占拠 爆弾2
史上最悪の爆弾魔が囚われた。
そのとき新たな悪が生まれた。東京地方裁判所、104号法廷。
史上最悪の爆弾魔スズキタゴサクの裁判中、突如銃を持ったテロリストが乱入し、法廷を瞬く間に占拠した。
「ただちに死刑囚の死刑を執行せよ。ひとりの処刑につき、ひとりの人質を解放します」前代未聞の籠城事件が発生した。
スズキタゴサクも巻き込んだ、警察とテロリストの戦いが再び始まる!
読んだ感想
法廷での占拠事件!まさに“劇場型犯罪”の極みです。読み始めたら瞬く間に引き込まれ、裁判中に起きる非日常の連続に手が止まらない展開でした。タゴサクの不気味な存在感や、登場人物たちの駆け引きが絶妙!
(30代男性)
警察・犯人・タゴサクの三つ巴の知的戦いにドキドキ。各々の思惑や背景が絡み合い、最後まで「誰が正義か?」と考え続けさせられました。
(30代女性)
国内8位:バーニング・ダンサー
作品名 | バーニング・ダンサー |
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著者 | 阿津川辰海 |
出版社 | KADOKAWA |
特殊設定ミステリの気鋭が贈る、能力者vs.能力者の警察小説!
全世界百人の能力者――「コトダマ遣い」。特殊設定ミステリの気鋭が贈る、能力者vs.能力者の警察小説!
読んだ感想
最初から「体が燃え尽きた死体」という強烈な事件にびっくりしました。警察と特殊な力を持つ人たちの対決がスピード感たっぷりで、最後まで一気に読めました。派手なのにしっかり謎解きもあるのが良かったです。
(20代女性)
能力バトルと本格ミステリを一緒に楽しめるのが新鮮でした。アクションが派手なのに、きちんとロジックで納得させてくれる展開で、「こういうのもアリだな」とワクワクしました。
(30代男性)
国内9位:ぼくは化け物きみは怪物
作品名 | ぼくは化け物きみは怪物 |
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著者 | 白井智之 |
出版社 | 光文社 |
「本格ミステリ・ベスト10」2年連続1位! ランキングを席巻する鬼才の最新短編集! クラスメイト襲撃事件を捜査する小学校の名探偵。滅亡に瀕した人類に命運を託された“怪物”。郭町の連続毒殺事件に巻き込まれた遊女。異星生物のバラバラ死体を掘り起こした三人組。見世物小屋(フリークショー)の怪事件を予言した“天使の子”。凶暴な奇想に潜む、無垢な衝動があなたを突き刺す。白井智之は容赦しない。
読んだ感想
奇妙な設定に圧倒された短編集。どれもエログロでぶっ飛んでいるのに、しっかり論理的な謎解きがあって安心感もあるんです。「天使と怪物」は特に圧倒されました。白井さん、本当に何を思いつくんでしょうね。
(30代女性)
冒頭の「最初の事件」は、雪の事件をめぐる小学生の推理劇。後半の「大きな手の悪魔」は宇宙人が登場し、「天使と怪物」で見世物小屋の密室トリックと未来予知の謎まで。一冊でいろんなジャンルが楽しめて「短編集ならではの面白さ」を存分に味わえます。
(40代男性)
国内10位:六色の蛹 サーチライトと誘蛾灯
作品名 | 六色の蛹 サーチライトと誘蛾灯 |
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著者 | 櫻田智也 |
出版社 | 東京創元社 |
昆虫好きの優しい青年は、
人の心の痛みに寄り添う名探偵
日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を受賞した『蝉かえる』に続く、
〈エリ沢泉〉シリーズ第3作!
昆虫好きの心優しい青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。行く先々で事件に遭遇する彼は、謎を解き明かすとともに、事件関係者の心の痛みに寄り添うのだった……。ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、銃撃事件の謎を探る「白が揺れた」。花屋の店主との会話から、一年前に季節外れのポインセチアを欲しがった少女の真意を読み解く「赤の追憶」。ピアニストの遺品から、一枚だけ消えた楽譜の行方を推理する「青い音」など全六編。日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を受賞した『蝉(せみ)かえる』に続く、〈エリ沢泉〉シリーズ第3作!
読んだ感想
昆虫好きの優しい青年・魞沢(えりさわ)泉が、自然な会話の中から驚きの推理にたどり着く過程が心地よかったです。短編6編それぞれが独立しつつつながっていて、読み終えた瞬間にじんわり感動が広がりました
(40代男性)
登場人物たちが抱える過去や痛みに魞沢がそっと寄り添っていく描写に「自分の胸も温められた」気分になりました。
(30代女性)
このミステリーがすごい!2025年〈海外ベスト10〉結果まとめ

このミステリーがすごい!2025年〈海外ベスト10〉の結果を紹介します。
まずは結果一覧をお見せしますね↓
順位 | 作品名・受賞者 | \無料体験で0円/ オーディブル対象 |
---|---|---|
1位 | 両京十五日 1: 凶兆 (馬伯庸) | 0円で聴く > |
2位 | ビリー・サマーズ (スティーヴン・キング) | – |
3位 | 死はすぐそばに (アンソニー・ホロヴィッツ) | – |
4位 | ボタニストの殺人 (M W クレイヴン) | 0円で聴く > |
5位 | ウナギの罠 (ヤーン・エクストレム) | – |
6位 | エイレングラフ弁護士の事件簿 (ローレンス ブロック) | – |
7位 | すべての罪は血を流す (S・A コスビー) | – |
8位 | 魂に秩序を (マット・ラフ) | – |
同率9位 | ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ベンジャミン・スティーヴンソン) | – |
同率9位 | 身代りの女 (シャロン・ボルトン) | – |
海外1位:両京十五日 1: 凶兆

作品名 | 両京十五日 1: 凶兆 |
---|---|
著者 | 馬伯庸 |
出版社 | 早川書房 |
十五世紀の中国、明の時代。北京から南京に遣わされた皇太子は爆発による襲撃に襲われる。さらに北京にいる皇帝も命を狙われていることを知った皇太子は、幾度と襲い掛かってくる刺客から逃れつつ、南京から北京へ向かう幾千里にもわたる決死行が始まる――!
読んだ感想
南京到着直後に皇太子の乗船が爆破され、命を狙われるシーンから一気に引き込まれました。皇太子と、捕吏・呉定縁ら個性的な仲間たちが手を取り合い、15日間で北京を目指すロードノベルとしても超一級。歴史知識がなくても、勢いとスリルに圧倒されます
(30代男性)
中国の故事やスラング、文化に満ちた描写も豊富で、“本場の味わい”を楽しめる一冊です。地理や登場人物の多さに戸惑っても、読み進めればその世界観にどっぷり浸れます。エネルギッシュな歴史冒険に心躍りました。
(20代女性)
海外2位:ビリー・サマーズ
作品名 | ビリー・サマーズ |
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著者 | スティーヴン・キング |
出版社 | 文藝春秋 |
作家デビュー50周年に放つ、至高のクライム・ノヴェル
狙いは決して外さない凄腕の殺し屋、ビリー・サマーズ。依頼人たちには、銃撃しか能がないちょっと抜けた男を装っているが、真の顔はエミール・ゾラを愛読する思慮深い人間であり、標的が悪人である殺ししか請け負わない。
そんなビリーが、引退を決意して「最後の仕事」を受けた。収監されているターゲットを狙撃するには、やつが裁判所へ移送される一瞬を待つしかない。狙撃地点となる街に潜伏するための偽装身分は、なんと小説家。街に溶け込むべくご近所づきあいをし、事務所に通って執筆用パソコンに向かううち、ビリーは本当に小説を書き始めてしまう。
だが、この仕事は何かがおかしい……。ビリーは安全策として、依頼人にも知られぬようさらに別の身分を用意し、奇妙な三重生活をはじめた。そしてついに、運命の実行日が訪れる――。
読んだ感想
ベテラン狙撃手ビリーが、“悪い奴”しか狙わない殺し屋として最後の仕事に挑む構成に、まずぐっと引き込まれました。途中から犯罪小説らしい展開に変わるのも面白かったです。
(20代男性)
悪口ばかり書く劇評家が刺されてしまうという物語の始まりに「えっ!」と引き込まれました。リアルと虚構を巧みに混ぜ込むスタイルが心地よく、ブラックユーモアと推理の快感が両立した一冊でした。
(30代女性)
海外3位:死はすぐそばに

作品名 | 死はすぐそばに |
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著者 | アンソニー・ホロヴィッツ |
出版社 | 東京創元社 |
あらゆる期待を超えつづける、〈ホーソン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊!
テムズ川沿いの高級住宅地の殺人。
容疑者全員に同じ動機が……。
『カササギ殺人事件』の著者が贈る、
現代最高の犯人当てミステリ
ロンドンはテムズ川沿いの閑静な高級住宅地リヴァービュー・クロースで、金融業界のやり手がクロスボウの矢を喉に突き立てられて殺された。門と塀で外部と隔てられた、昔の英国の村を思わせる敷地のなかで6軒の家の住人が穏やかに暮らす──この理想的な環境を、新参者の被害者は騒音やプール建設計画などで乱していた。我慢を重ねてきた住人全員が同じ動機を持っているこの難事件に、警察から招聘された探偵ホーソーンは……。あらゆる期待を超えつづける、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ第5弾!
読んだ感想
ロンドンの閑静な住宅街で起きた謎の殺人。「住人全員に恨みがある」という状況の中で、ホーソーンとホロヴィッツが挑む展開は、「読んでいて唸る」レベルの本格派。シリーズ随一の巧みな構成と複雑な展開に脱帽です。
(40代男性)
冒頭は第三人称で語られていた事件が、途中から作者自身(ホロヴィッツ)が語り手に切り替わる構成には驚かされました。この語りの緩急が巧みで、物語に深みとスリルを与えています。うまく古典ミステリにひねりを加えた作品だと思います。
(30代女性)
海外4位:ボタニストの殺人

作品名 | ボタニストの殺人 |
---|---|
著者 | M W クレイヴン |
出版社 | 早川書房 |
押し花を受け取った著名人が連続で殺される事件が起きた。捜査に挑むポーだったが、彼の同僚の病理学者が殺人容疑で逮捕され……
読んだ感想
本格ミステリに「植物毒+詩+押し花」という異色のトリックが加わり、「詰め物かよ!」と思ったものの、仕掛けの巧みさに感服しました。毒殺を告げる詩と押し花の冷酷さにゾクゾクしつつ、読み終えたあとの爽快感がクセになる一冊でした。
(30代男性)
「トリックも面白い、会話も笑える、性格もクセある」の三拍子が揃った贅沢ミステリ。「ラスボス」級の毒殺犯と、破天荒な捜査チームのやり取りが楽しくて、つい一気読みしてしまいます。
(20代女性)
海外5位:ウナギの罠
作品名 | ウナギの罠 |
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著者 | ヤーン・エクストレム |
出版社 | 扶桑社 |
ウナギ取りの罠小屋の不可能殺人!
「スウェーデンのディクスン・カー」、幻の名作
1960年代のスウェーデンに、こんな不可解な密室殺人が眠っていたとは……。
ウナギのように「つかみどころ」がなく、解決不可能に見える奇怪な現場の状況。
ディクスン・カーも青ざめるほどの「つなわたり」のトリックに啞然、そして呆然。
――折原一氏(作家)
「スウェーデンのディクスン・カー」と称された、ヤーン・エクストレムによる不可能犯罪の名品!
ウナギ漁のための小部屋のような仕掛け罠のなかで、地元の大地主の死体が発見された。
入り口には外から錠がかけられ、鍵は被害者のポケットに――
そう、完璧な密室殺人だったのだ。
さらに、遺体には一匹のウナギがからみついていた!
被害者をめぐる複雑な人間関係、深まる謎また謎……
かつて、本作を初めて日本に伝え、ファンを騒然とさせた、ミステリー研究家・松坂健氏の紹介文を付す。
読んだ感想
「ウナギの罠」のタイトルからして気になって仕方なかったのですが、中身もインパクト十分でした。地面に設置された大きなウナギ用の檻で死体が密室状態で見つかるという斬新さにびっくり。トリックの緻密さもあって、推理好きならぜひ読んでほしい一冊です。
(40代男性)
60年代のスウェーデン発の本格密室ミステリーとして、とてもユニークな存在感があります。密室の頑丈さを読者に見せつけながら進む展開はテンポよく、しかも「ディクスン・カーも驚くだろう」と評されたほどの仕掛けの創意に感動しました。
(30代女性)
海外6位:エイレングラフ弁護士の事件簿

作品名 | エイレングラフ弁護士の事件簿 |
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著者 | ローレンス ブロック |
出版社 | 文藝春秋 |
エラリイ・クイーンも太鼓判!
ミステリー史上最高で最凶の弁護士マーティン・エイレングラフ登場!不敗の弁護士エイレングラフは言う、
「私の報酬は法外ですが、有罪になったら一銭も支払わなくて結構。でもあなたが無罪放免となったなら、もし私が何もしなかったように見えても、必ず報酬を支払っていただきます」
そして依頼人は 必 ず 、無罪となる。たとえ真犯人であっても!エラリイ・クイーンが大いに気に入って雑誌に掲載した第一作「エイレングラフの弁護」から38年。アメリカン・ミステリーの巨匠ブロック(『八百万の死にざま』『殺し屋』)がじっくり書き継いだシリーズ短編を完全収録。本邦初訳の作品もふくむ全12編。これぞ珠玉。ブラック・ユーモアとヒネリとキレが絶妙にブレンドされた短編ミステリー集。
読んだ感想
「依頼人が真犯人でも必ず無罪にする弁護士」という一風変わった設定にまず驚きました。でもそれがブラックユーモアとして心地よくて、短編ごとにひねりのある結末に「そうきたか!」と驚きました。
(40代男性)
12編すべて同じパターンの短編形式ですが、それぞれ巧妙な仕掛けがあって飽きません。エイレングラフの狡猾さに舌を巻きつつ、後半では人間味も感じられて、じわじわと味わい深くなりました。
(30代女性)
海外7位:すべての罪は血を流す

作品名 | すべての罪は血を流す |
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著者 | S・A コスビー |
出版社 | ハーパーコリンズ・ジャパン |
『このミス』1位『頬に哀しみを刻め』著者、最新作!
被害者の携帯電話に残されていた、残忍な殺人の画像――
悪夢のような連続殺人事件に、黒人保安官が挑む。
MWA賞長編部門ノミネート!
「コスビーの最高傑作を更新した」デニス・ルヘイン
「死体の山、ノンストップのアクション、最高の警察もの」スティーヴン・キング
「止まらない勢い、手に汗握る陰謀、犯罪小説のグランドスラムだ」マイクル・コナリー
「現代の犯罪小説の中で最も記憶に残る主人公の一人」ワシントン・ポスト
ヴァージニア州の高校で教師が銃撃され、容疑者の黒人青年が白人保安官補に射殺された。人種対立の残る町に衝撃が走るなか、元FBI捜査官の黒人保安官タイタスは捜査を開始する。容疑者は銃を捨てるよう説得するタイタスに奇妙な言葉を残していたのだ。「先生の携帯を見て」と。被害者の携帯電話を探ると、そこには彼と“狼”のマスクを被った男たちによる残忍な殺人が記録されていた――。
■著者既刊
『黒き荒野の果て』
『頬に悲しみを刻め』
読んだ感想
冒頭から重いテーマでしたがストーリーに引き込まれて、気づいたら一気に読んでました。差別とか憎しみって重い題材だけど、ただ暗いだけじゃなくて物語として面白かったです。
(30代男性)
保安官のタイタスがかっこよかったです。まっすぐに事件に向き合う姿に「応援したい」と思いながら読みました。ハードな描写もあるけど、最後まで飽きずに楽しめました。
(40代女性)
海外8位:魂に秩序を
多重人格カップルの友情と淡い恋心と殺人と――。
あらゆるジャンルを取り込んで、新潮文庫史上最厚で贈る、
メタおもしろい、究極の物語小説がついに日本上陸!
幼少時に義理の父親から虐待を受けたために多重人格障害を抱えるアンディは、自分の頭の中に住む別人格アーロンによって人格の交錯する混沌状態を整理してもらい、下界に適応していくための人格の渉外役として新たにアンドルーという魂を生まれさせていた。ある日、ヴァーチャルリアリティ・ソフトの開発に関わっているソフト制作会社で、アンドルーはやはり多重人格障害を抱える女性ペニーと出会うことになる。自身の他人格だけでなくペニーの別人格にまで振り回されるアンドルーは、一方で、ある殺人犯の事故死に関わったことから、義父の死は自分が原因だったのではないかという疑念に囚われる。真相解明のため、ペニーと共に故郷へと向かうが……。多重人格障害を抱えるカップルを主人公に、ミステリー、ロードノヴェル、青春成長小説といったさまざまな要素が展開する、物語の万華鏡!
読んだ感想
アンドリューの「内なる家」の描写が面白くて、ただの多重人格の物語ではなく、人間の複雑さをうまく表現していると思いました。ラストにかけてアンドリューとペニーの関係が変化していくところに、温かさを感じました。
(40代男性)
ただの多重人格の物語ではなく、人間の複雑さをうまく表現していると思いました。ラストにかけてアンドリューとペニーの関係が変化していくところに、温かさを感じました。
(30代女性)
海外9位(同率):ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

作品名 | ぼくの家族はみんな誰かを殺してる |
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著者 | ベンジャミン・スティーヴンソン |
出版社 | ハーパーコリンズ・ジャパン |
わが家は全員嘘つきで、人殺しだ。
世界27カ国で刊行!伏線だらけの謎解きミステリー。
すべての真相を、見抜けますか?
雪山で起きた連続殺人。容疑者は一家全員。
ぼくたちカニンガム家は曰くつきの一族だ。35年前に父が警官を殺したあの日以来、世間からは白い目で見られている。そんな家族が3年ぶりに雪山のロッジに集まることになったのだから、何も起こらないはずがない─その予感は当たり、ぼくらがロッジに到着した翌日、見知らぬ男の死体が雪山で発見された。家族9人、それぞれが何かを隠し、怪しい動きを見せるなか、やがて第2の殺人が起こり……。
古典的なフーダニットに、ウィットに富んだひねりを加えた作品。スティーヴンソンは「公平な探偵」を演じるだけでなく見事なミステリー・ゲームを創りだした―― Washington Post
まさに巧妙。一度目は楽しく読み、二度目は真相を確かめるために読む、二度読み必至作――CriminalElement.com
非常に巧みで面白い。著者はこの力作を、見えそうで見えないトリックを巧妙に操るマジシャンのごとく生みだした――Publishers Weekly
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フーダニットの特徴を網羅した本書は、数々の謎を読者に提示するとともに、ロナルド・ノックスの十戒を忠実に守り、その謎を解く手掛かりをすべて織りこんでいる。果たして犯人は誰なのか? 謎を解くカギは、作中で探偵の役割を果たすアーネスト・カニンガム同様、読者にもすべて与えられている。それらを正しく繋げることができれば、この問いの答えは明らかになる。読者の誰もが名探偵になれるのだ。さあ、あなたも謎解きに挑戦し、思う存分推理の楽しみを味わおう。(訳者あとがきより)
読んだ感想
山奥のスキーリゾートに閉じ込められたカニンガム家が、嵐の中で起こる殺人事件に巻き込まれる設定、「閉じられた場所でのドタバタ」感覚が好きな私にはたまらなかったです。
(40代男性)
この本って「ミステリーのルールを全部書いちゃいました!」っていう構造自体が楽しすぎます。エルニーがルールを実演してくれて、読者にも「ここ、罠だよ?」って教えてくれるのが気持ちいい。ミステリー好きなら、「あ、これぞ黄金時代ミステリだ!」とテンション上がります。
(20代女性)
海外9位(同率):身代りの女
作品名 | 身代りの女 |
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著者 | シャロン・ボルトン |
出版社 | 新潮社 |
彼らに会いに来たのは、刑期を終えた女。
はたして〝約束〟は守られるのか――!?
一気読み必至の予測不能サスペンス。
卒業を間近にしたパブリック・スクールの優等生6人が、泥酔して道路を逆走させた自動車で母娘3人の命を奪う大事故を起こしてしまう。20年後、事故当時ひとり罪をかぶり刑期を務めたメーガンが、国会議員、辣腕弁護士と、いまや成功した人生を享受している5人の前に姿をあらわす。身代りとなったメーガンは、彼らと、ある〝約束〟を交わしていたのだった。心に罪悪感を抱えて生きてきた5人の保身と利己心が、真意の読めないメーガンの言動と交錯していく。危険な契約の先に待つものは……!? オックスフォードを舞台にした予測不能&一気読み必至のサスペンス小説。2024年最大のミステリー話題作。
読んだ感想
高校時代の事故で罪をかぶったメーガンが20年ぶりに戻ってきて、かつての仲間たちと再会する…という導入からまずゾクッとしました。特に、罪をかぶったのに成功した仲間たちに会いに行く姿には、つい「いいぞ、メーガン頑張れ!」と応援したくなりました。
(30代男性)
“メーガンが戻ってきたときのみんなの動揺”がリアルすぎて、思わず納得。幸せに暮らしているはずの仲間たちが、過去の罪悪感でバランスを崩していく過程がどこか切なくて、読んでいて胸が痛くなる瞬間がありました。
(30代女性)
まとめ:このミステリーがすごい!2025は、ぜひノミネート作品も含めて読んでみよう

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