「芥川賞の中で一番売れた本ってなんなんだろう?」
「歴代の売上部数ランキングを知りたい!」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、芥川賞を受賞した作品の歴代発行・売上部数ランキングを紹介します。
記事を読むことで、芥川賞の最高傑作がわかる(!?)かもしれませんよ。
芥川賞売上ランキング|歴代の発行・売上部数TOP10

では、芥川賞の売上ラングTOP10を見ていきましょう。
1位:限りなく透明に近いブルー(367万部以上)

芥川賞の売上ランキング1位は、第75回・1976年上半期に受賞した『限りなく透明に近いブルー』(村上龍)という結果になりました!
2015年の地点で累計367万を突破※しています。
単行本だけで131万部(2005年)。文庫本を含めた累計発行部数では、史上1位となっております。
記事執筆時(2025年)の10年前にこの記録なので、今ではさらに部数が増えていると予想できますね。
2位:火花(326万部以上)
芥川賞の売上ランキング2位は、第153回・2015年上半期に受賞した『火花』(又吉直樹)。
2020年の地点で326万部を超えるベストセラー※となり、映画化・ドラマ化・海外版(韓国版・中国版・台湾版・ベトナム語版ほか)などと幅広く愛されている作品です。
※PR TIMES「又吉直樹 欧米圏デビュー 芥川賞『火花』イギリスで英語版刊行」より
累計売上部数では2位という結果になりましたが、単行本だけの発行部数だけで見ると「239万部(2015年)」となり、限りなく透明なブルーを抜いて芥川賞受賞作品中1位となります。
累計発行部数では「限りなく透明なブルー」、単行本発行部数では「火花」がそれぞれ1位ということですね。
3位:されどわれらが日々ーー(186万部以上)

芥川賞の売上ランキング3位は、第51回・1964上半期に受賞した『されどわれらが日々――』(柴田翔)。
2006年の地点で、累計発行部数は186万部を突破※しています。
芥川賞候補作品としては長すぎるが、「他の候補作品にくらべて力量が抜群」と称賛され、芥川賞受賞に至りました。
当時の芥川賞売上ランキングNo.1の作品ですね。
4位:赤頭巾ちゃん気をつけて(160万部以上)
芥川賞の売上ランキング4位は、第61回・1969上半期に受賞した『赤頭巾ちゃん気をつけて』(庄司薫)。
三島由紀夫たちに才能を認められて芥川賞を受賞したとのこと。
単行本と文庫本の総売上部数が160万を超えており※、歴代4位の売上となりました。
5位:蹴りたい背中(159万部以上)
芥川賞の売上ランキング5位は、第130回・2003下半期に受賞した『蹴りたい背中』(綿矢りさ)。
2023年の地点(記事)で、累計発行部数が150万部※を超えています。
※CINRA「『芥川賞』受賞作執筆20年。綿矢りさがいま語る『蹴りたい背中』と、20年後の未来とは?」より
また、綿矢りささんは、芥川賞の最年少記録(19歳11ヶ月)という記録も保持しており、当時大きな話題となりました。(そのルックスから「文壇のアイドル」とも注目されました)
6位:コンビニ人間(102万部以上)
芥川賞の売上ランキング6位は、第155回・2016上半期に受賞した『コンビニ人間』(村田沙耶香)。
コンビニ人間は爆発的に売れて、世界各国に翻訳されました。
2020年9月の地点で、全世界累計発行部数は100万を超えています※。
コンビニ人間は、小説的な面白さも有していたことから、
- 面白い作品が芥川賞を受賞することは稀
- 歴代受賞作の中でもトップクラスの面白さ
と話題になりました。
7位:推し、燃ゆ(80万部以上)
芥川賞の売上ランキング7位は、第164回・2020下半期に受賞した『推し、燃ゆ』(宇佐美りん)。
2023年7月の地点で、累計80万部を突破※しています。
※PR TIMES「全世界で80万部突破!宇佐美りん『推し、燃ゆ』がついに文庫化!」より
世界15カ国以上で翻訳出版されています。
Webで検索をしていると、第61回・1969上半期に受賞した『深い河』(田久保英夫)が「累計売上部数90万部」という情報を目にすることがあります。
このことをくまなくリサーチしてみたのですが、どこを探しても「90万部」の元となるソースが見つからないのです…。
(通常なら「19◯◯年の地点で、90万部を突破!」という情報が見つかるのですが、それすらも見つからず)
考えられる原因は、
- 紙媒体での発表があったものをWebに載せている(ソースの引用し忘れ)
- 同年に受賞した「赤ずきんちゃん気をつけて」の発行部数との情報がごっちゃになっている
のどちらかだと思っています。
個人的には②の可能性が高いのではないのかな…と思っています。
というのも、Webサイト「直木賞のすべて」さんによると、『赤頭巾ちゃん気をつけて』の当時の発行部数が90万部となっています。
その情報を見た別のサイト運営者さんが、自身の記事に引用・記載する時に、『深い河』と『赤頭巾ちゃん気をつけて』のタイトル名を転記ミスしてしまったのではないか?と考えています。
今回は、情報源を見つけることができなかったため、『深い河』は売上ランキングからは除外させていただきました。
もし、90万部の情報元がわかりましたら、ランキングに挿入させていただきます!
8位:おらおらでひとりいぐも(68万部以上)
芥川賞の売上ランキング8位は、第158回・2017下半期に受賞した『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子)。
2023年の地点で累計売上部数が68万部※を超えました。
※Web河出「68万部の大ベストセラー『おらおらでひとりいぐも』から6年〜」より
若竹千佐子さんの63歳のデビュー作にして「芥川賞」「映画化」「ドイツ文学賞リベラトゥール賞受賞」という快挙を果たした大ベストセラー作品です。
9位:蛇にピアス(65万部以上)
芥川賞の売上ランキング9位は、第130回・2003下半期に受賞した『蛇にピアス』(金原ひとみ)。
2007年の地点で、65万部を突破※しました。
※シネトゥデイ「20歳で芥川賞をとった金原ひとみ「蛇にピアス」を世界の蜷川が映像に!」より
世界105カ国で翻訳され、世界中で読まれています。
その後、吉高由里子さん主演で映画化もされ、大きく話題となりました。
また、『蛇にピアス(金原ひとみ)』が受賞された2003年は、歴代売上ランキング5位の『蹴りたい背中(綿矢りさ)』とのW受賞の年。
綿矢りささんは最年少受賞記録の1位、金原ひとみさんは最年少受賞記録の2位で、若い2人が芥川賞を受賞したことでとても盛り上がりました。
『蛇にピアス』と「蹴りたい背中』が掲載された文藝春秋は累計118万部超えで、歴代文藝春秋の中で1位の発行部数を記録&保持しています。
両作品を一緒に買って、読んだ人も多いのではないでしょうか。
2005年にはテレビドラマ化、2009年にはテレビアニメ化、2011年には連続ドラマ化されました。
10位:エーゲ海に捧ぐ(47万部以上)

現在絶版となっているため、中古販売のリンクを紹介しています
芥川賞の売上ランキング10位は、第77回・1977上半期に受賞した『エーゲ海に捧ぐ』(池田満寿夫)。
1994年4月号の文學界にて、累計発行部数が47.5万部以上※と発表されました。
1979年には池田満寿夫さん自身の監督・脚本により、映画化されました。
芥川賞売上ランキング|歴代の発行・売上部数11〜20位

続いて、11位〜20位は一覧表で紹介します。
順位 | 作品名 | 著者/受賞年 | 売上部数 |
---|---|---|---|
11位 | 日蝕 | 平野啓一郎 | 40万部以上 |
12位 | 佐川君からの手紙 | 唐十郎 | 37万部以上 |
13位 | 僕って何 | 三田誠広 | 33万部以上 |
14位 | 妊娠カレンダー | 小川洋子 | 31万部以上 |
15位 | 月山 | 森敦 | 31万部以上 |
16位 | 家族シネマ | 柳美里 | 27万部以上 |
17位 | 共喰い | 田中慎弥 | 25万5000部以上 |
同率18位 | 九月の空 | 高橋三千綱 | 24万部以上 |
同率18位 | ブエノスアイレス 午前零時 | 藤沢周 | 24万部以上 |
20位 | 螢川 | 宮本輝 | 23万4500部以上 |
芥川賞売上ランキングからわかる歴代最高傑作は…

ということで、芥川賞の売上ランキングを見てきました。
リサーチできた中での歴代売上ランキング1位は『限りなく透明に近いブルー』という結果になりました。
でも、歴代最高傑作は人それぞれにあると思います。
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