「本屋大賞2023の歴代作品を全部チェックしたい!」
「一覧でまとめている記事はないのかな?」
と思っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、本屋大賞2023年(第20回)の結果を、部門ごとに、ノミネート作品も合わせて紹介します。
- 本屋大賞2023年の1位〜10位
- 翻訳小説部門1位〜3位
- 発掘部門
それでは見ていきましょう!
本屋大賞は、全国の書店員が“自分の店で一番おすすめしたい本”を投票で選ぶ賞です。
全国の新刊書店(オンライン書店含む)で働く書店員の“投票だけ”で決まる年間の書籍賞です。書店員が自ら読んで「面白い・薦めたい・店で売りたい」と思う本を選ぶ点が特徴です。
2004年に第1回が行われ、以後毎年実施されています。
選考は一次投票で上位10作をノミネートし、その全作を読了したうえで二次投票(ベスト3方式)で大賞を決定します。
運営は書店員有志による「本屋大賞実行委員会」。既刊本を掘り起こす発掘部門や、翻訳小説部門も併設されています。
本屋大賞2023年結果まとめ|ノミネート作品も紹介

まずは、本屋大賞2023年の1位(大賞)〜10位(ノミネート作品)までを紹介します。
先に結果一覧をお見せしますね↓
順位 | 作品名・受賞者 | \無料体験で0円/ オーディブル対象 |
---|---|---|
1位(大賞) | 汝、星のごとく (凪良ゆう) | 0円で聴く > |
2位 | ラブカは静かに弓を持つ (安壇美緒) | 0円で聴く > |
3位 | 光のとこにいてね (一穂ミチ) | 0円で聴く > |
4位 | 爆弾 (呉勝浩) | 0円で聴く > |
5位 | 月の立つ林で (青山美智子) | 0円で聴く > |
6位 | 君のクイズ (小川哲) | – |
7位 | 方舟 (夕木春央) | 0円で聴く > |
8位 | 宙ごはん (町田そのこ) | – |
9位 | 川のほとりに立つ者は (寺地はるな) | 0円で聴く > |
10位 | #真相をお話しします (結城真一郎) | 0円で聴く > |
【大賞】1位:汝、星のごとく
第20回本屋大賞受賞作!
シリーズ累計100万部突破!あなたと生きる、その痛みごと。
著者2度目の本屋大賞を受賞した『汝、星のごとく』が3年の時を経てついに文庫化!同じ空の下であの星を見上げよう。そして、また出会おう。あまりに切ない運命を、繊細な心理描写で描いた著者最高傑作。
風光明媚な瀬戸内の島で育った暁海(あきみ)と母の恋愛に振り回され転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人が恋に落ちるのに時間はかからなかった。ときにすれ違い、ぶつかり、成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けた著者がおくる、あまりに切ない愛の物語【2023年本屋大賞受賞作】
☆2023年本屋大賞受賞作☆
【第168回直木賞候補作】
【第44回吉川英治文学新人賞候補作】
【2022王様のブランチBOOK大賞】
【キノベス!2023 第1位】
【第10回高校生直木賞候補作】【ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2022 第3位】
【今月の絶対はずさない! プラチナ本 選出(「ダ・ヴィンチ」12月号)】
【第2回 本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞 ノミネート】
【未来屋小説大賞 第2位】
【ミヤボン2022 大賞受賞】
【Apple Books 2022年 今年のベストブック(フィクション部門)】
などなど、賞&ノミネート&ランクイン多数!
読んだ感想
暗く厳しい現実の中で、それでも人は「花火」のような美しい瞬間を生きることができるという希望に、深く心が温かくなりました。瀬戸内の風景に包まれながら、暁海と櫂という二つの孤独が、そっと重なり合い、読後に胸に残る余韻が広がります。透明感のある文章が、彼らの痛みと成長を静かに、でも力強く照らしていました。
(30代男性)
「わたしは愛する人のために人生を誤りたい」──そんな切ない気持ちから始まる、瀬戸内の島で育った女の子と転校生の恋のお話。お互いの家族の事情や夢がちがって、すれ違うこともあるけれど、それでも自分の人生に向き合って成長していく二人がすごくリアルで、「自分もがんばろう」と自然に思えるお話でした。
(20代女性)
2位:ラブカは静かに弓を持つ
作品名 | ラブカは静かに弓を持つ |
---|---|
著者 | 安壇美緒 |
出版社 | 集英社 |
少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘樹は、ある日、勤務先の全日本音楽著作権連盟の上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉桜太郎のもとに通い始める。師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……。第6回未来屋小説大賞、第25回大藪春彦賞受賞、第20回本屋大賞第2位。大反響を巻き起こした、心に響く“スパイ×音楽”長編。文庫版特典スピンオフ短編も収録!
読んだ感想
チェロに封じられたトラウマを抱えながら、スパイとして潜入した音楽教室で、橘の心がそっと解かれていく描写が胸に沁みました。静かなスリルと深い心理ドラマが交差する一方で、「音楽の力」が人を救うという希望にも満ちているのが本当に素敵でした。
(30代女性)
音楽×スパイという意外な組み合わせにワクワクしながら読み進め、伏線の回収と心情の変化にページをめくる手が止まりませんでした。表面的な結末は予想できても、そこで描かれる信頼や罪悪感の揺らぎが深くて、感情を揺さぶられる読み応えのある一冊でした。
(40代男性)
3位:光のとこにいてね
『スモールワールズ』を超える、感動の最高傑作
たった1人の、運命に出会った
古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。運命に導かれ、運命に引き裂かれる
ひとつの愛に惑う二人の、四半世紀の物語
読んだ感想
異なる家庭環境で育った結珠と果遠が、古びた団地で出会い、7歳、15歳、29歳と人生の節目で再会していく物語。社会の境界を越えて「光の場所」で繋がる二人の想いが、切なくて美しくて、読後に胸がじんわり温かくなる傑作でした。
(20代女性)
「光のとこにいてね」というセリフが象徴になるように、ただの再会ではなく、魂が引き合うような深い絆が心に残ります。母親との距離、人生の選択、幸せに向き合う二人の姿に、自分の大事な人への思いも重なり、ずっと忘れられない物語になりました。
(30代男性)
4位:爆弾
★★★祝・W1位!!★★★
日本最大級のミステリランキング、『このミステリーがすごい! 2023年版』(宝島社)、『ミステリが読みたい! 2023年版』(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)国内篇で驚異の2冠!!
これを読まねば、“旬”のミステリーは語れない!◎第167回直木賞候補作◎
◎各書評で大絶賛!!◎☆☆☆
東京中に爆弾。怪物級ミステリ-!
自称・スズキタゴサク。
取調室に捕らわれた冴えない男が、
突如「十時に爆発があります」と予言した。直後、秋葉原の廃ビルが爆発。
爆破は三度、続くと言う。ただの“霊感”だと嘯くタゴサクに、
警視庁特殊犯係の類家は情報を引き出すべく知能戦を挑む。炎上する東京。拡散する悪意を前に、正義は守れるか。
読んだ感想
警察と爆弾魔との頭脳戦の裏で、登場人物それぞれの“心の闇”がじわじわ襲ってくるのがゾクッときます。「この作品を読むことで、自分の中の悪意の総量がわかってしまう」と評された読後感に納得。エンタメとして楽しみながらも、人間の醜さと向き合わされる、ただのトリックを超えた物語でした。
(20代女性)
「些細な傷害事件で連行された中年男が、“本物の爆弾魔”だった」という衝撃的な始まりに釘付けになりました。スズキタゴサクと刑事たちの取調室での心理戦は、まるで頭脳ゲームを観戦しているよう。ページをめくる手が止まらず、東京全体が危機にさらされる緊迫感は読む者の心ごと巻き込む、圧巻のノンストップ・ミステリーでした。
(30代男性)
5位:月の立つ林で
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える自動二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事と家族のバランスに悩むアクセサリー作家。 つまづいてばかりの日常の中、タケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』の月に関する語りに心を寄せながら、彼らは新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく。
読んだ感想
ちょっとモヤモヤしている5人の人生が、ポッドキャスト“ツキない話”を介してそっとつながっていく様子に、心がじんわり温かくなりました。「目に見えないけれど確かにあるもの」が、少しずつ日常に光を取り戻してくれる不思議な読後感です。
(40代女性)
登場人物たちは皆、自分が見逃していた“誰かの優しさ”や“自分の存在”に気づき始めます。まるで新月のように、人が光を反射しない日でも、ちゃんとそこにあることを思い出させてくれる――そんな優しさを伝えてくれる作品でした。
(30代男性)
6位:君のクイズ
クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。彼はなぜ正答できたのか? 推理作家協会賞受賞&本屋大賞6位、圧巻のエンターテインメント。文庫化に際し短編小説「僕のクイズ」を収録! 解説は田村正資氏。
読んだ感想
TV番組の決勝戦、クイズが読み上げられる前に正解される衝撃的な展開に圧倒されました。主人公が過去や番組構成をひもときながら真実へ迫る過程に引き込まれ、「知る」ことへの喜びとミステリとしての燃える謎が共存する、一気読み必至の傑作でした。まさに“知的エンタメ”の金字塔です。
(30代男性)
クイズの“確定ポイント”や選択肢を絞り込む思考プロセスが鮮やかに描かれていて、この競技の奥深さに感動しました。ボタンを押すタイミングや脳内の計算がまるでストリーミング推論のようで、読後に「クイズの見方が変わった」と感じる人が増えるのも納得です。
(30代女性)
7位:方舟
極限状況での謎解きを楽しんだ読者に驚きの〈真相〉が襲いかかる。
友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。
いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。
生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。
読んだ感想
真っ暗な地下建築に閉じ込められ、助かるには誰か一人が犠牲になる――そんな極限状況での殺人事件は、読み始めた瞬間から心臓が高鳴ります。論理的な謎解きと、ラストの「真実の反転」は衝撃的で、ミステリーの醍醐味を存分に味わえる傑作でした。
(50代男性)
誰が犯人か探すミステリーかと思いきや、最後には倫理と救済の不協和音に襲われました。生き残るには何が正義なのか──その問いが痛いほど突き刺さり、読み終えた後もしばらく考えが離れない重厚な作品です。
(30代女性)
8位:宙ごはん
本屋大賞ノミネート作、待望の文庫化!
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいて「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。
代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづける。
──きっと、この物語はあなたの人生を支えてくれる。
読んだ感想
育ての「ママ」と産みの「お母さん」という2人の母を持つ宙が、突然「花野」と暮らすことになり、戸惑いながらも「やっちゃん」から教わったパンケーキで心がつながっていく描写に、胸がじんわり温かくなりました。料理を通じた母娘とまわりの大人たちの丁寧な成長が希望をくれる、優しさあふれる物語です。
(30代男性)
宙がノートにレシピを書き写し、誰かのために料理を作ることを学んでいく姿がとても印象的でした。家族の傷を抱えつつも、「食」が小さな橋となって人を癒し、絆を育んでいく──そんな現実的で温かな回復の物語が心に響きます。人生の「痛み」の先にも、ちゃんと温もりがあることを教えてくれる一冊です。
(40代女性)
9位:川のほとりに立つ者は
作品名 | 川のほとりに立つ者は |
---|---|
著者 | 寺地はるな |
出版社 | 双葉社 |
カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。
読んだ感想
登場人物それぞれの“揺れる正しさ”に、読みながら何度も立ち止まらされました。誰もが「こうあるべき」と思い込む価値観が、時には苦しみを生む。清瀬の葛藤や松木の優しさ、そこにある人間らしい弱さに、「正解なんてないんだ」とじんわり気づかせてくれる一冊です。意図が丁寧に言葉にされていて、心にすっと染みました。
(30代男性)
暗く静かなミステリのような始まりから、最後には「許せるかもしれない」と思わされる温度へ。すべてが問いかけで終わる感じが、本棚に余韻を残します。人との距離や秘密に対する読み手の想像力をゆっくり育ててくれる。登場人物も一面的に描かれていないからこそ、モヤモヤが生まれ、それがこの物語の最高の魅力だと感じました。
(40代女性)
10位:#真相をお話しします
作品名 | #真相をお話しします |
---|---|
著者 | 結城真一郎 |
出版社 | 新潮社 |
累計50万部突破! 本屋大賞ノミネート! 日本推理作家協会賞! 各紙誌、メディア騒然の令和最大の話題作、ついに文庫化! ミステリ界の超新星が仕掛ける、五つの罠。日常に潜む小さな“歪み”を、あなたは見抜くことができるか。
島育ちの仲良し小学生四人組。あの日「ゆーちゅーばー」になることを夢見た僕らの末路は……(「#拡散希望」)。マッチングアプリでパパ活。リモート飲み会と三角関係。中学受験と家庭教師。精子提供と殺人鬼。日常に潜む「何かがおかしい」。その違和感にあなたは気づくことができるか。新時代のミステリの旗手による、どんでん返しの五連撃。日本推理作家協会賞受賞作を含む、傑作短編集。
読んだ感想
日常の中に潜む「違和感」がそっと積み重ねられ、気づけば読み手の頭はフル回転。短編それぞれに仕掛けられたどんでん返しの連発に、「まさか」と何度も驚かされました。読み終えた後も、しばらく得体の知れない余韻に包まれる、まさに“頭脳派ミステリー短編集”でした。
(40代男性)
ごく普通の家庭、SNS、マッチングアプリ、YouTuber…――身近な現代の風景が、いつしか裏切りと猟奇に変じていく。誰も信じられなくなるような続きを「日常の延長線」に描いた文才が光ります。心がヒリヒリするような、怖さと知的快楽が同居した傑作短編集でした。
(30代女性)
本屋大賞2023年〈翻訳小説部門〉結果まとめ

本屋大賞2023年〈翻訳小説部門〉の結果を紹介します。
翻訳小説部門は、海外の小説を日本語に訳して出版した作品の中から選ばれる賞です。
まずは結果一覧をお見せしますね↓
順位 | 作品名 | \無料体験で0円/ オーディブル対象 |
---|---|---|
1位(大賞) | われら闇より天を見る | 0円で聴く > |
2位 | プリズム | – |
3位 | グレイス・イヤー 少女たちの聖域 | – |
翻訳小説部門1位:われら闇より天を見る
作品名 | われら闇より天を見る |
---|---|
著者 | クリス・ウィタカー(著) 鈴木恵(訳) |
出版社 | 早川書房 |
「それが、ここに流れてるあたしたちの血。あたしたちは無法者なの」 アメリカ、カリフォルニア州。海沿いの町ケープ・ヘイヴン。30年前にひとりの少女命を落とした事件は、いまなお町に暗い影を落としている。自称無法者の少女ダッチェスは、30年前の事件から立ち直れずにいる母親と、まだ幼い弟とともに世の理不尽に抗いながら懸命に日々を送っていた。町の警察署長ウォークは、かつての事件で親友のヴィンセントが逮捕されるに至った証言をいまだに悔いており、過去に囚われたまま生きていた。彼らの町に刑期を終えたヴィンセントが帰ってくる。彼の帰還はかりそめの平穏を乱し、ダッチェスとウォークを巻き込んでいく。そして、新たな悲劇が……。苛烈な運命に翻弄されながらも、 彼女たちがたどり着いたあまりにも哀しい真相とは――?人生の闇の中に差す一条の光を描いた英国推理作家協会賞最優秀長篇賞受賞作。
読んだ感想
“少女の死”という30年前の悲劇が、今もなお人々の心を縛るケープ・ヘイヴン。無法者と呼ぶしかなかった13歳少女・ダッチェス、その母を心配し続ける署長・ウォーク、それぞれが痛みと失意を抱えながらも懸命に生きる姿に胸が張り裂けそうでした。終わりから始まる人生の物語に、どん底からでも“救い”を見つけられる希望が光ります。
(30代男性)
物語を読み終えた瞬間、「ラスト1行」に打ちのめされました。登場人物たちは決して“完璧な存在”ではなくて、その弱さや過ちがリアルに描かれているからこそ、余計に心に刺さります。ダッチェスが自称する「無法者」という言葉が、“自分で自分を守るための誇り”に変わる瞬間が、涙なくして読めませんでした。
(20代女性)
翻訳小説部門2位:プリズム
作品名 | プリズム |
---|---|
著者 | ソン・ウォンピョン(著) 矢島暁子(訳) |
出版社 | 祥伝社 |
この恋が永遠でないことを知っている。
けれど感じることができるのは現在だけだ。『アーモンド』『三十の反撃』の著者が贈る、
四人の男女の、揺れ動く心の移ろいを繊細に描いた、大人の恋の物語。ひとつの恋が終わると、すぐに次の「愛する人」を見つけてしまうイェジン。
「いい人」とよく言われるものの、他人と一定の距離を保つドウォン。
離婚した元夫と、不毛な逢瀬を重ねつづけるジェイン。自らを危険人物とみなし、恋愛とは無縁な人生を歩んできたホゲ。
同じ建物で働くイェジンとドウォンは、休憩時間に互いを知るようになり、ジェインのベーカリーでアルバイトをするホゲは、オフ会でイェジンと知り合った。偶然四人が出会ったとき、ドウォンとジェインが十年ぶりの再会を果たし…。「普通の恋愛小説とは違うものにしたかった。ナイーブな失敗を重ねて迷いながら成長していこうとする、不安な若さを描きたかった」
――ソン・ウォンピョン過去の傷や闇を抱えた四人の男女が、人との出会いを通して自分を見つめ直し、成長してゆく姿を繊細に描いた、大人のための恋愛小説。
読んだ感想
4人の男女が過去の傷を抱えながら、出会いを通じて互いに揺れ動く姿が丁寧に描かれていました。誰もが「不器用な自分」を抱えつつも、それを認めて進もうとする小さな一歩に共感。日常の光と影を繊細に映し出すような筆致が胸に残る、静かに深い恋愛群像劇でした。
(20代男性)
登場人物4人は、みんなちょっと傷ついた経験があって、恋にも不器用。だけど出会いをきっかけに、少しずつ変わっていく姿がリアルで感動したよ。キラキラした恋じゃないけれど、「自分にも変われるかも」とそっと背中を押される、じんわりあたたかな気持ちになる小説でした。
(30代女性)
翻訳小説部門3位:グレイス・イヤー 少女たちの聖域
作品名 | グレイス・イヤー 少女たちの聖域 |
---|---|
著者 | キム・リゲット(著) 堀江里美(訳) |
出版社 | 早川書房 |
16歳の少女たちの生死をかけた通過儀礼がいま、はじまる ガーナー郡に住む16歳のすべての少女は、危険な魔力を持つとされ、森の奥のキャンプへ一年間追放される。少女ティアニーが、謎に包まれた通過儀礼〈グレイス・イヤー〉でのサバイバルの果てに見た真実。『侍女の物語』×『蠅の王』のポスト・ディストピア小説
読んだ感想
「侍女の物語」と「蠅の王」が融合したようなディストピア世界に引き込まれました。少女たちの結束、裏切り、生き延びるための戦い…。その一瞬一瞬が痛々しくて、でもその痛みが物語として胸に深く残ります。読むと自分も“問いを立てる力”を持ちたくなる、そんな一冊でした。
(40代男性)
16歳の女の子たちが、理由もなく森に追い出されて、必死に生き延びるお話。そこでは女の子同士が争ったり支え合ったり…。「魔力」なんて作り話でも、人を支配する「物語」がどれだけ怖いか、リアルに伝わってくるよ。読んだあとは「私は自分の人生を選びたい」と強く思わされる、静かな衝撃のある物語だった。
(30代女性)
本屋大賞2023年〈発掘部門〉おちくぼ姫

2022年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本を選ぶ『発掘部門』。
その中から「超発掘本!」に選ばれた作品は『おちくぼ姫』でした。
貴族のお姫さまではあっても、意地悪い継母のせいで、召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられ、床が一段低く落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らしている――。千年も昔、日本で書かれた王朝版「シンデレラ物語」。姫君と貴公子のラブ・ストーリーを田辺聖子の現代語訳で!
読んだ感想
古典『落窪物語』をもとにした平安時代版シンデレラ物語。田辺聖子さんの軽やかな現代語訳で、とても読みやすく、王朝時代が身近に感じられます。優しくて健気なおちくぼ姫を応援せずにはいられず、朗らかな希望に満ちた読後感が心に残りました。
(50代男性)
千年前の王朝物語なのに、現代のライトノベルみたいに読み進められた!古典初心者でもすっと世界に入り込めるのは、田辺さんの工夫と文章の柔らかさのおかげ。かわいそうな姫が最後には輝いて、「古典って意外と面白いかも」と思わせてくれる優しいお話でした。
(30代女性)
まとめ:本屋大賞2023年は、ぜひノミネート作品も含めて読んでみよう

本屋大賞2023年の受賞作品を紹介してきました。
興味のある本があったら、ぜひ手にとって読んでみてくださいね。
無料で聴く方法
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Step2:アプリをダウンロードして聴く
続いて、スマホにアプリをダウンロードして、好きな本を聴いてみましょう。
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あとは、好きな作品を探して聴くだけです!

よいオーディブル体験を〜