「本屋大賞2025の歴代作品を全部チェックしたい!」
「一覧でまとめている記事はないのかな?」
と思っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、本屋大賞2025の結果を、部門ごとに、ノミネート作品も合わせて紹介します。
- 本屋大賞2025年の1位〜10位
- 翻訳小説部門1位〜2位
- 発掘部門
それでは見ていきましょう!
本屋大賞は、全国の書店員が“自分の店で一番おすすめしたい本”を投票で選ぶ賞です。
全国の新刊書店(オンライン書店含む)で働く書店員の“投票だけ”で決まる年間の書籍賞です。書店員が自ら読んで「面白い・薦めたい・店で売りたい」と思う本を選ぶ点が特徴です。
2004年に第1回が行われ、以後毎年実施されています。
選考は一次投票で上位10作をノミネートし、その全作を読了したうえで二次投票(ベスト3方式)で大賞を決定します。
運営は書店員有志による「本屋大賞実行委員会」。既刊本を掘り起こす発掘部門や、翻訳小説部門も併設されています。
本屋大賞2025年結果まとめ|ノミネート作品も紹介

まずは、本屋大賞2025年の1位(大賞)〜10位(ノミネート作品)までを紹介します。
先に結果一覧をお見せしますね↓
順位 | 作品名・受賞者 | \無料体験で0円/ オーディブル対象 |
---|---|---|
1位(大賞) | カフネ (阿部暁子) | 0円で聴く > |
2位 | アルプス席の母 (早見和真) | 0円で聴く > |
3位 | 小説 (野崎まど) | – |
4位 | 禁忌の子 (山口未桜) | – |
5位 | 人魚が逃げた (青山美智子) | 0円で聴く > |
6位 | spring (恩田陸) | – |
7位 | 恋とか愛とかやさしさなら (一穂ミチ) | 0円で聴く > |
8位 | 生殖記 (朝井リョウ) | – |
9位 | 死んだ山田と教室 (金子玲介) | – |
10位 | 成瀬は信じた道をいく (宮島未奈) | 0円で聴く > |
【大賞】1位:カフネ
☆2025年本屋大賞受賞作☆
【第8回未来屋小説大賞】
【第1回あの本、読みました?大賞】一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。
やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。
実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス会社『カフネ』の仕事を手伝わないかと提案する。食べることは生きること。二人の「家事代行」が出会う人びとの暮らしを整え、そして心を救っていく。
読んだ感想
静かで優しい物語でした。雨に濡れた人にそっと傘を差すように、薫子とせつなの交流が心を癒やしていきます。料理や日常の仕草が「カフネ」という優しさそのものだと感じました。
(30代男性)
読んでいて「ちょっとした優しさで人は救われるんだ」と思いました。辛い毎日を送る薫子が、せつなの作る料理に支えられていく姿に、不思議とあたたかい気持ちになれました。
(40代女性)
2位:アルプス席の母
まったく新しい高校野球小説が、開幕する。
秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!?
補欠球児の青春を描いたデビュー作『ひゃくはち』から15年。主人公は選手から母親に変わっても、描かれるのは生きることの屈託と大いなる人生賛歌! かつて誰も読んだことのない著者渾身の高校野球小説が開幕する。
読んだ感想
高校野球を支える母親の視点が斬新で感動的でした。スポーツの“裏側”にある厳しい父母会の現実や、スタンドで無言の応援を送る母の揺るぎない愛に胸を打たれます。清濁を描ききった真摯な親子小説であり、成長譚としても非常に深い作品でした。
(30代女性)
この本は、グラウンドではなくスタンドにいる母の視線が主人公。甲子園を夢見る息子を支えながら、自分自身も新しい地での戦いに挑む姿が印象的でした。勝利の裏側には、応援の声だけでなく、ためらいや葛藤、母としての強さが確実に存在する。物語の熱さと親子の絆が、まさに“見えない応援”で胸に届く一冊です。
(40代男性)
3位:小説
我々は、なぜ小説を読むのか。
五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。
複雑な人間の昇華体であり、人の心を掴んで離さない、人の心が作り出した物語の結晶。
そこには望むもののすべてがあった。
十二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会う。二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。
そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。
しかし、その屋敷にはある秘密があった。
小説を書くことで失われる世界の均衡、読むことで広がる無限の心。宇宙最高の愉悦のすべてが、今明らかになる。
読んだ感想
読書家の魂に響く、まさに「読者のための小説」です。帯の問い「読むだけじゃダメなのか?」への真っ直ぐな応答が、内側を増やす読書の喜びを肯定してくれます。宇宙や神話を想起させる幻想的な展開にも引き込まれ、読んだ後に心の底から「小説ってすごい」と思わせる一冊でした
(20代女性)
この『小説』っていう本、読めば読むほど「読んでるだけでいいんだ」と思えてくる不思議な本でした。主人公たちが本に没頭する姿は、自分も昔読書で夢中になってた気持ちを思い出させてくれて、「小説ってただ読むだけでも意味があるんだ」って気づかせてくれます。
(30代男性)
4位:禁忌の子
第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作
デビュー作にして2025年本屋大賞ノミネート!
投稿作であることも忘れ手に汗握った。
読者を没入させるストーリーテリングができる方だ
青崎有吾
とにかく書きっぷりが達者で、私は作品の半ばまで読んで
「これが今年の鮎川賞だな」と確信した
東川篤哉
良質なサスペンスドラマのように、主人公が歩みを進めるたびに
真相に近づいていく展開は見事のひと言
麻耶雄嵩
救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。
彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。
「俺たち」は誰なんだ。
現役医師が描く医療×本格ミステリ
救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第34回鮎川哲也賞受賞作。
読んだ感想
最初に「自分そっくりな人が死体で運ばれてくる」って聞くと、「え、なにそれ!?」って驚きました。そこから謎がたくさん出てきて、読む手が止まらない! 医療の専門的な言葉も分かりやすく説明してくれてるから、気づけば一気読み。最後は「ああ、そういうことか…」ってゾッとしたけど、それがまた深く心に残りました。
(20代女性)
現役医師による医療ミステリーで、導入から衝撃的。自分と瓜二つの溺死体という展開が強烈に心を掴み、専門用語も平易に砕いてあり読みやすい。謎が小出しにされ、後半の展開には完全に裏をかかれました。重く切ない過去や倫理的問いが胸に残る、読後感の強い一冊です
(30代男性)
5位:人魚が逃げた
本屋大賞4年連続ノミネート! 今最注目の著者が踏み出す、新たなる一歩とは――。幸福度最高値の傑作小説! 〈STORY〉ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め――。そしてその「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。12歳年上の女性と交際中の元タレントの会社員、娘と買い物中の主婦、絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作家、高級クラブでママとして働くホステス。銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命とは。そして「王子」は人魚と再会できるのか。そもそも人魚はいるのか、いないのか……。
読んだ感想
この小説は、“人魚騒動”という不可思議な出来事を装いながら、それぞれが抱える心の迷宮にそっと灯をともすような物語でした。王子という奇妙な存在に触れた瞬間、登場人物たちが自分の物語を見つめ直し、未来への一歩を踏み出していく姿が胸に迫ります。銀座という日常の風景と、童話的な幻想が静かに溶け合い、「人生って、ちょっとした出会いで劇的に変われるんだ」とそっと教えてくれるような優しい一冊です。
(40代女性)
読んでると「今すぐ銀座に行きたい!」って気持ちに。物語には驚きの事件とかは少ないけど、読んだあとにふわっと優しい気持ちになれる――そんな不思議な味わいがありました。
(30代男性)
6位:spring
自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家・萬(よろず)春(はる)。少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。一人の天才をめぐる傑作長編小説。
読んだ感想
萬春という「春そのもの」を帯びた少年は、出会う人々の視点を通して立体的に浮かび上がる存在。4つの異なる語り手が語ることで、彼という天才の光と闇、才能の重さや孤独が重層的に伝わります。そしてラスト、自身の視点で語るその姿には、「天才もまた人間である」という静かな共感が生まれる。まるでバレエの一幕のように、静謐な余韻を残す一冊でした。
(30代男性)
この本は、天才バレエダンサーの萬春って人をいろんな人が語る形で進んでいくんだけど、だんだん「この人すごい…!」って思ってくる構造が面白かったです。しかも最後に本人の視点が語られると、「なんだ、すごいけれど普通の人なんだ」と思えて、ちょっとホッとしたし応援したくなった。バレエの世界もすごくリアルに描かれてて、読みおわったら、自然とバレエの動画を検索してました。
(30代女性)
7位:恋とか愛とかやさしさなら
作品名 | 恋とか愛とかやさしさなら |
---|---|
著者 | 一穂ミチ |
出版社 | 小学館 |
プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。
カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が“出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。
信じるとは、許すとは、愛するとは。
男と女の欲望のブラックボックスに迫る、
著者新境地となる恋愛小説。わたしの心と体を通ってきた、無数の、犯罪の名前が付かないたくさんの傷のことを考えた。苦しかった。読めてよかった。
読んだ感想
婚約者が盗撮で逮捕される衝撃の冒頭から心を掴まれました。信じることや許すことの意味を問い続けられるような展開で、読後も余韻が強く残ります。繊細な描写に胸が締めつけられる一冊でした。
(30代男性)
プロポーズの翌日、恋人が捕まるという驚きの始まり。でも彼を信じたい気持ちと疑う気持ちがぶつかり合い、答えが出せないまま進んでいきます。簡単には解けない「信じるって何?」を考えさせられる本でした。
(30代女性)
8位:生殖記
『正欲』から3年半ぶりとなる最新長篇。
とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。
読んだ感想
「生殖本能」が語り手になるという斬新な設定に驚かされました。ユーモラスなのに、社会や人間の営みを鋭く突きつけてきて、気づけば「自分はなぜ生き、働くのか」と考えさせられる一冊でした。
(30代男性)
軽妙な語りに笑いつつも、自分の価値観が揺さぶられる体験でした。「当たり前」と思っていたことが実は不安定で、読後には自分の生き方を立ち止まって見直したくなる、不思議な読書体験でした。
(40代女性)
9位:死んだ山田と教室
自分はなぜ生きているのか、自分はなぜ死なないのか、逡巡の中にいるすべての人へ。私がずっとデビューを待ち望んでいた新人の、ユーモアと青臭さと残酷さと優しさが詰め込まれた快作です。ーー金原ひとみ
夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。
読んだ感想
男子高校生のバカ騒ぎのような日常から始まるのに、気づけば「忘れられることの寂しさ」や「友情の切なさ」に心を揺さぶられました。くだらないやり取りに笑いながら、最後には胸がじんと熱くなる不思議な物語でした。
(30代男性)
山田の“声だけの存在”とクラスメイトの会話はとてもユーモラスですが、その裏にある孤独や喪失感がじわじわと迫ってきます。笑えるのに、読後には大切な人を失う怖さや悲しさを強く感じる、印象深い青春小説でした。
(20代女性)
10位:成瀬は信じた道をいく
作品名 | 成瀬は信じた道をいく |
---|---|
著者 | 宮島未奈 |
出版社 | 新潮社 |
「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」妹からの電話で実家の状況を知った智代。かつて横暴だった父が、母の面倒をみているという。関わり薄くいられたのも、お互いの健康あればこそだった。長男長女、墓守、責任という言葉に距離を置いてきた日々。妹は二世帯同居を考えているようだ。親孝行に名を借りた無意識の打算はないか。──「認知症になった母が私の名前を忘れたのが書くきっかけとなりました」(著者)。家族という単位と役割を、北海道を舞台に五人の女性の視点から問いかける連作長編。第15回中央公論文芸賞受賞作。
読んだ感想
成瀬あかりの圧倒的な個性が、関わる人すべてにじんわり響いていく物語でした。クレーマー主婦や小学生、大学生、父親…それぞれの視点が絡み合い、「普通」な人の人生にも温もりと輝きがあることを教えてくれる、爽やかで心に残る一冊でした。
(40代男性)
「普通の人」たちが、成瀬という鋼のような存在に触れて少しずつ変わっていく様子が、とても愛おしかったです。笑ってしまうユーモアがありつつも、日常のちょっとした違和感や距離感に気づかされる。まるで日常がコントになったような、ふとした瞬間に吹き出す宝石が詰まった物語でした。
(30代女性)
本屋大賞2025年〈翻訳小説部門〉結果まとめ

本屋大賞2025年〈翻訳小説部門〉の結果を紹介します。
翻訳小説部門は、海外の小説を日本語に訳して出版した作品の中から選ばれる賞です。
まずは結果一覧をお見せしますね↓
翻訳小説部門1位:フォ-ス・ウィング―第四騎竜団の戦姫―
作品名 | フォ-ス・ウィング―第四騎竜団の戦姫― |
---|---|
著者 | レベッカ・ヤロス(著) 原島文世(訳) |
出版社 | 早川書房 |
2025年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位
灼けつくような、恋と死を――
“ロマンタジー”ついに日本上陸!
竜の騎手たちが魔法の力で国防を担う国ナヴァール。書記官を目指していた20歳のヴァイオレットは、軍の司令官である母親の命令でバスギアス軍事大学に入学して騎手を目指すことに。だがそこは、入学者の大半が命を落とす死と隣り合わせの場所だった。
新入生の多くはライバルを減らして竜と契りを結ぶため、小柄なヴァイオレットを殺そうとする。また彼女が所属する第四騎竜団(Fourth Wing)の冷酷な団長ゼイデンも司令官への恨みから、娘である彼女の命を狙っていた。しかし有能で魅力的な彼にヴァイオレットは強く惹かれてゆき……。
彼女を待ち受ける極限状態での恋、友情、そして命懸けの戦いの行方は――。
読んだ感想
序盤から命をかけた訓練が続く緊張感と、竜との絆が成立するまでのスリルに引き込まれました。ヴァイオレットのたくましさと弱さがリアルに響いて、知らず知らず応援してしまう展開に心を掴まれました。
(20代男性)
極限状態での友情や恋愛が描かれていて、一瞬たりとも気が抜けない展開にぐいぐい引っ張られました。竜と対話する描写やロマンスの切なさが重なり合って、クセになります。
(30代女性)
翻訳小説部門2位:白薔薇殺人事件
作品名 | 白薔薇殺人事件 |
---|---|
著者 | クリスティン・ペリン(著) 上條ひろみ(訳) |
出版社 | 東京創元社 |
手がかりはすでに集められている。
殺されると予言された、
被害者本人によって。
ホロヴィッツと並ぶクリスティの後継者による犯人当てミステリ!
ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母の住むキャッスルノール村に招かれた。大叔母は16歳のときに占い師から告げられた、いつかおまえは殺されるという予言を信じつづけており、大邸宅に住む奇妙な老婦人として知られている。屋敷を訪れると、大叔母は図書室で死んでいた。両手には血の痕があり、床には茎の長い白薔薇が落ちていた。予言が的中して自分が殺されてしまったときのために、大叔母は約60年をかけて親族や村人たちを調査していた。その膨大な調査記録を手がかりに、アニーは犯人探しに挑む。新鋭が贈る犯人当てミステリの大傑作!
読んだ感想
古びた屋敷と60年を超える予言と調査の痕跡が重なる舞台で、アニーが大叔母の死の謎を追う様子にワクワクしました。複数の登場人物の思いと過去が交錯して、最後には「あの描写も伏線だったのか!」と驚かされる、読みごたえのある本格ミステリでした。
(40代男性)
大叔母が若き日に信じた「殺される」予言が現実になる恐ろしさと、彼女が残した日記や記録を追うアニーの切実さが胸を打ちました。歳月を隔てても変わらぬ思い、人間の弱さが生々しく描かれていて、ミステリを読んでいるのにどこか温かくて、人に寄り添う物語にも感じられました。
(30代女性)
翻訳小説部門2位:別れを告げない
作品名 | 別れを告げない |
---|---|
著者 | ハン・ガン(著) 斎藤真理子(訳) |
出版社 | 白水社 |
ノーベル文学賞受賞作家の最新長篇!
作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。
済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も……
いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。
読んだ感想
成瀬あかりの圧倒的な個性が、関わる人すべてにじんわり響いていく物語でした。クレーマー主婦や小学生、大学生、父親…それぞれの視点が絡み合い、「普通」な人の人生にも温もりと輝きがあることを教えてくれる、爽やかで心に残る一冊でした。
(40代男性)
心の奥底でずっと繋がっている悲しみと、歴史に刻まれた声を静かに受け止める語りが胸を打ちました。重くて痛いのに、その描写の美しさに何度も息を飲みます。忘れられた記憶に「別れを告げない」という決意が、再生と希望へと静かに導く──そんな深みのある読後感でした。
(30代女性)
本屋大賞2025年〈発掘部門〉

2023年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本を選ぶ『発掘部門』。
その中から「超発掘本!」に選ばれた作品は『ないもの、あります』でした。
作品名 | ないもの、あります |
---|---|
著者 | クラフト・エヴィング商會 |
出版社 | 筑摩書房 |
2025年本屋大賞「超発掘本!」に選出!!
よく耳にするけれど一度として見たことのないものたち、あります。
たとえば「転ばぬ先の杖」。あるいは「堪忍袋の緒」。こういうものは、どこに行ったら手に入れられるのでしょうか? このような素朴な疑問とニーズにお応えするべく、わたくしどもクラフト・エヴィング商會は、この世のさまざまなる「ないもの」たちを、古今東西より取り寄せて、読者の皆様のお手元にお届けします。文庫化にあたり、新たに3品を加えました。
読んだ感想
“慣用句としては知っているのに実物を見たことがないものたち”が、まるで本当に存在するかのように並ぶ架空のカタログ形式が楽しい一冊。思わず笑って、「こんな“おかんむり”があったら使ってみたい」などと思わされる、ユーモアと皮肉に富んだセンスが光る本でした。
(40代男性)
「転ばぬ先の杖」や「おかんむり」など、言葉では知っているけれど実物がないものが、絵つきで“売られている”という設定がすごくおもしろかった! 読みながら「こんなの欲しいな」「どう使うんだろう?」ってわくわくするし、言葉の意味も改めて考えちゃう、不思議で楽しい一冊でした。
(20代女性)
まとめ:本屋大賞2025年は、ぜひノミネート作品も含めて読んでみよう

本屋大賞2025年の受賞作品を紹介してきました。
興味のある本があったら、ぜひ手にとって読んでみてくださいね。
無料で聴く方法
オーディブルの30日無料体験を使うことで、「オーディブル対象の本屋大賞作品」を無料で聴くことができます。
無料体験は、お試し期間中いつでもキャンセルできるので、安心して利用できますよ。
オーディブルが聴けるようになるまでは、かんたん2ステップです。
- オーディブルに登録する
- アプリをダウンロードして聴く
それぞれ見ていきましょう
Step1:オーディブルに登録する
まずは、以下のボタンをタップして、オーディブルの公式サイトへいきましょう↓
\ 無料で30日間!聴き放題 /
いつでも解約できるから安心
「30日の無料体験」のボタンをタップし↓

ログインします↓

Amazonアカウントを持っていない方は、ここで作成しましょう。
「Amazonアカウントを作成する」をタップし↓

あとは、必要な情報を入力します。
最後に「無料体験を試す」をタップすれば、オーディブルの無料体験が始まります!
Step2:アプリをダウンロードして聴く
続いて、スマホにアプリをダウンロードして、好きな本を聴いてみましょう。
こちらからオーディブルのアプリをダウンロードします↓

アプリのダウンロードができたら、オーディブルのアプリを開きましょう。
初めて開くときには、Amazonへのサインインが必要なので、必要な情報を入力してサインインします。
あとは、好きな作品を探して聴くだけです!

よいオーディブル体験を〜