「直木賞ってどんな文学賞なの?」
「創設者や賞金、最年少記録など詳しく知りたい」
毎年、本屋やメディアなどで見かける直木賞。
「実は、どんな賞なのかよく知らないんだよね…」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、直木賞について以下の内容を徹底解説しています。
- 直木賞とは?
- 直木賞の由来となった人物は?
- 直木賞の創設者は誰?
- 直木賞は年に何回ある?
- 直木賞の賞金はいくら?
- 直木賞の「最年少受賞者」と「最年長受賞者」は?
記事を読むことで、直木賞について詳しく理解することができますよ。
直木賞とは?

直木賞(なおきしょう)は日本を代表する文学賞の一つで、大衆に愛される小説作品に贈られる栄誉ある賞です。
正式名称は「直木三十五賞(なおきさんじゅうごしょう)」。
1935年の創設以来、毎年1月と7月の年2回発表され、受賞作は『オール讀物』(文藝春秋社発行)に掲載されます。
当初は新人作家を対象としていた賞と言われていますが、現在では中堅からベテランまで幅広い作家が受賞しています。
直木賞では、エンターテインメント性の高い作品が選ばれることが多く、受賞作は大きな注目を集め、ベストセラーになることも多いです。
直木賞の由来となった人は?

直木賞の名前の由来となった人は、作家の直木三十五(本名:植村宗一)。
1891年に大阪で生まれた個性的な作家でした。
彼のペンネームである「三十五」は、「年齢」に由来しています。
31歳で「直木三十一」として文筆活動を始め、年を重ねるごとに「三十二」「三十三」と改名していったのです。
ではなぜ「三十五」で止まったのか。
いくつか説がありますが、最も有力だと言われているのは、親友の菊池寛から「そろそろ改名はやめろ」と諭されたためだとされています。
実際、34歳のときの筆名を「直木三十四」で提出していたにも関わらず、編集者の勘違いで「直木三十三」のまま使われていたというエピソードがあります。
…まぁ毎年名前が変わられると、混乱しますよね(笑
名字の「直木」については、本名の「植」の字を分けて「直木」にしたとのことです。
直木三十五は、1934年に43歳で亡くなりましたが、その功績を称え、彼の名を冠した賞が創設されました。
直木三十五の代表作は?
直木三十五の代表作には、幕末の薩摩藩を描いた歴史小説『南国太平記』や、水戸黄門の原作となった『黄門廻国記』があります。
『南国太平記』は映画化もされ、世代を超えて多くの人々に親しまれています。
彼の作品は、時代小説から現代小説まで多岐にわたり、大衆文学の発展に寄与しました。
直木三十五に子孫はいるの?
直木三十五には、2人の子ども「長女:木の実(このみ)」「長男:昂生(たかみ)」がいたという記録※が残されています。
しかし、これ以外の情報が公開されていないため、現在、子孫がどのようになっているのかは定かではありません。
直木賞の創設者は?

直木賞は、文藝春秋社の創業者である菊池寛(きくちかん:本名の読み方は”きくちひろし”)によって創設されました。
菊池は、直木三十五の友人。
1935年に直木賞と芥川賞と同時に創設し、ご存知の通り、両賞は今でも日本の文学界において非常に重要な役割を担っています。
また、菊池寛自身も人気作家として活躍しており、代表作には、「忠直卿行状記」「真珠夫人」などがあります。
直木賞は年に何回ある?

直木賞は年に2回、7月(上半期)と1月(下半期)の発表があります。
上半期は、
- 前年12月1日〜5月31日までに発表された作品が対象に選考
- 6月中旬に候補作発表
- 7月に受賞作品発表
というスケジュール。
下半期は、
- 6月1日〜11月30日までに発表された作品が対象に選考
- 12月中旬に候補作発表
- 1月に受賞作品発表
となっています。
最近の直木賞の発表日を遡ってみると
- 2024年
- 下半期:2025年1月15日(水)
- 上半期:2024年7月17日(水)
- 2023年
- 下半期:2024年1月17日(水)
- 上半期:2023年7月19日(水)
- 2022年
- 下半期:2023年1月19日(木)
- 上半期:2022年7月20日(水)
となっています。(水曜日に発表されることが多いですね)
直木賞の賞金は?

直木賞の受賞者には、
- 正賞:懐中時計
- 副賞:賞金100万円
が授与されます。
複数の受賞者がいる場合でも、懐中時計・100万円がそれぞれもらえます。
直木賞受賞者がもらえる懐中時計…。
どのような懐中時計が贈られるのか気になりますよね?
第170回(2023年下半期)に『八月の御所グラウンド』で受賞した万城目学さんがX(旧Twitter)で、送られてきた懐中時計の写真をUPしてくださっています↓
正賞 懐中時計(和光)。 pic.twitter.com/fGazQq4PlD
— 万城目学 (@maqime) February 23, 2024
2023年は和光の懐中時計だったそうですね!
ちなみに、なぜ懐中時計が贈られるのかというと、
直木賞が創設された時代は、生活に苦しむ作家が多くいたため、換金可能で当時高価だった”懐中時計”を正賞とすることに決めた
と、直木賞創設者である菊池寛が選んだのが理由だそうです。
直木賞作家の最年少・最年長記録は誰?

最年少記録は「堤千代」
直木賞の最年少受賞記録は、第11回(1940年上半期)『小指』で受賞した堤千代。
受賞時の年齢は、22歳10ヶ月でした。
ちなみに、最年少受賞記録の2位は、第148回(2012年下半期)『何者』で受賞した朝井リョウ(23歳7ヶ月で受賞)です。
最年長記録は「星川清司」
直木賞の最年長記録は、第102回(1989年下半期)『小伝抄』で受賞した星川清司。
受賞時の年齢は、68歳2ヶ月でした。
ちなみに、最年長受賞記録の2位は、第154回(2015年下半期)『つまをめとらば』で受賞した青山文平(67歳1ヶ月で受賞)です。
これまでの直木賞作品にはどんなものがある?

直近5年間の直木賞受賞作品には、以下のようなものがあります。
- 第172回(2024下)『藍を繋ぐ海』伊与原新
- 第171回(2024上)『ツミデミック』一穂ミチ
- 第170回(2023下)『ともぐい』河﨑秋子
- 第170回(2023下)『八月の御所グラウンド』万城目学
- 第169回(2023上)『極楽征夷大将軍』垣根涼介
- 第169回(2023上)『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子
- 第168回(2022下)『地図と拳』小川哲
- 第168回(2022下)『しろがねの葉』千早茜
- 第167回(2022上)『夜に星を放つ』窪美澄
- 第166回(2021下)『塞王の楯』今村翔吾
- 第166回(2021下)『黒牢城』米澤穂信
- 第165回(2021上)『テスカトリポカ』佐藤究
- 第165回(2021上)『星落ちて、なお』澤田瞳子
- 第164回(2020下)『心淋し川』西條奈加
- 第164回(2020上)『少年と犬』馳星周
それぞれの作品の詳細や、それ以前の直木賞受賞作品を詳しく知りたい方は、【歴代】直木賞受賞作品の一覧まとめ記事をご覧ください↓

直木賞とは?全貌まとめ

直木賞について紹介してきました。
まとめると、
- 直木賞の概要
- 日本を代表する文学賞の一つで、大衆に愛される小説作品に贈られる
- 正式名称は「直木三十五賞」
- 1935年創設以来、年2回(1月と7月)発表
- 『オール讀物』に受賞作が掲載される
- 直木三十五について
- 本名は植村宗一、1891年大阪生まれの作家
- ペンネーム「三十五」は年齢に由来し、31歳から年齢とともに改名
- 代表作に『南国太平記』『黄門廻国記』がある
- 1934年に43歳で逝去
- 賞の運営について
- 創設者は文藝春秋社の菊池寛(直木三十五の友人)
- 上半期(7月発表)と下半期(1月発表)の年2回選考
- 正賞は懐中時計、副賞は100万円
- 懐中時計は当時換金可能な高価品として選ばれた
- 受賞の記録
- 最年少記録:堤千代(22歳10ヶ月)『小指』で受賞
- 最年長記録:星川清司(68歳2ヶ月)『小伝抄』で受賞
直木賞は、エンターテインメント性の高い作品が選ばれ、受賞作は大きな注目を集めてベストセラーになることも多い文学賞です。
創設から90年近く経った今でも、日本の文学界において重要な役割を担い続けています。
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